よく「ピアノの修理/調律は自分で」と検索されていることが多々ありますが、DIY修理は初心者向けの簡単な作業から始めることがポイント。鍵盤の掃除や外装の拭き掃除にペダルの確認などを取り組むことは可能ですが、危険な作業には注意が必要です。複雑な修理や専門的な知識が必要な場合はプロの調律師に頼むのがベストです。
修理の診断と見積もりの重要性
部品の交換や修理を始める前に、ピアノの診断と見積もりは極めて重要です。これらのステップを適切に行うことで修理の範囲や費用を正確に把握し、スムーズかつ効果的で合理的な修理プロセスを確立することができます。
現地でのクリーニング修理作業ができない部分は工房へ持ち帰り、部品を分解していきます。
ピアノの定期的な点検ポイント
ピアノの状態を維持するためには定期的な点検が必須です。調律時に鍵盤の動き、弦の張り具合、ペダル機能などを定期的に確認します。また音の歪みや不自然な共鳴がないかも確認します。これにより、潜在的な問題を早期発見し、修理が必要かどうかを把握することができます。
打弦時に雑音が出ていたので確認したところ、赤い矢印部分が欠損していますね。
ここは打弦した後に落ちてくるハンマーを受け止めるクッションの役割をしています。
この状態だと雑音の原因になる。経年劣化した部品でもあるので新しく交換していきます。
修理にかかる費用の見積もり方法
ピアノの修理費用は様々な要因によって左右されます。修理にかかる具体的な費用を正確に見積もるためには、修理範囲や使用する部品、専門技術が必要な場合はそれらを考慮してプロの技術者(調律師)による見積もりを取ることが重要です。見積もりの段階で費用の詳細を確認し、予算を適切に組むことが大事です。
白い木口(こぐち)。
しかし、若干茶色のようなものが浮き出ている。怪しいのでほんの少し研磨をすると・・・
劣化した木口が浮き出てきた。
中古のピアノでたまに部品交換せず、表面に白いラッカー塗料を塗って見栄えだけを良くするだけの販売業者もいる。
上辺だけ綺麗にしても何の解決になっていないのでここも新品の部品に交換していきます。
このように一目見ると分からないことでもピアノ調律師であれば修理するべきポイントを確認することが出来ます。プロに修理を依頼するメリットは大きく、ピアノの部品の劣化具合や内部構造、複雑な調整に対処する能力があり、信頼性のある修理を提供することができます。また、修理のタイミングや方法を適切に判断し、ピアノの寿命と優れた演奏性を確保するためにも、プロの技術者に相談することが賢明です。
それではまた次回👋