全体の状態を確認し終えたら弦圧の確認作業に入ります。

ピアノ本体のクオリティーに決定的な影響を与える大切な部品でもある駒。

ここの上に張られた弦は響板に大きな圧力を与えています。

ピアノの響板は構造上、真ん中がやや盛り上がっており、約230本の全ての弦が駒を通じて響板を上から押さえつけています。

その圧力に耐えている状態がピアノ全体に伝わり、全体に響きやすい、鳴り易い音に変換されます。

この圧力があるからこそ、響板は弦振動を増幅させ、響きやすくします。

ちなみに黒い糸が駒に(青い矢印)先に密着した状態でフレームと糸に(赤い矢印)隙間がある状態だと弦圧は有ると判断し、逆の場合ですと弦圧が無いと判断します。

この画像は以前、前に投稿した大正ヤマハの画像ですが、アップライトピアノ/グランドピアノ問わず、弦圧測定の仕方は同じです。

今回のG2Aの場合は弦圧の数値がおおよそ全域にわたり数値は許容範囲でした。

様々なピアノのデータを取り続けることで音の鳴り方や弦圧の関係性を参考までに知っておくのにとても便利な作業でもあり、メーカーによっても製造された年代によっての傾向や経年変化によることも数値要素としてあるためとても興味深い。


何よりピアノをオーバーホールする際にちゃんと弦圧を調べておけば、次の作業時には効率的に弦圧測定することが出来る。

ということで、弦圧が測り終えたら弦を全て取り外していきます。

改めて見ると埃が凄いですね💦

ここまで汚れているとフレームを取り外す前に中を掃除をした方がよさそうです。

とりあえず本体とフレームを繋いでいる全てのネジも取っていきます。

このタイプのネジは無くなってしまうと大変なことになるので、ちゃんとフレームネジを一つ一つ丁寧に回収し、新しい弦を張るまで保管していきます。

マイナスネジは市販ではありませんからね。

ネジの取り外しと中の掃除が終わったら、早速フレームも外していきます。

オーバーホール時にしか見れない光景🎹

このフレームも結構な重さがあるので、フレームを釣り上げるためにクレーンを使っていきます。

分離が完了しました👍

これで油やホコリまみれのフレームを水洗いで綺麗にすることが出来ます。

弦圧測定している画像も載せたかったですが、SNSでもその作業をしている風景は確認できますので、どうぞご覧ください👍

Xでも作業風景を投稿しております♪