YAMAHA アップライトピアノ U2。
久しぶりに弾こうと思ったら鍵盤が元に戻らなくなり弾けないということでお客様宅にお邪魔しました。
20年近く年数が空いているとお客様から聞かされた時はもしかしたらと思い、アクションを預かる可能性があると事前に伝えていたのが功を為しました。
中の荒み具合が思っていたよりすごかったのです💦
現状の確認作業
ボロボロになったクロスパンチング。
これは虫食いによる影響でト〇と〇ェリーに出てくるチーズのように穴だらけになっています。
ピアノのクロスパンチングの役割
パンチングとは何か?ピアノのクロスパンチングは鍵盤が動作する際の緩衝材のような役割を持つ一方で、鍵盤の高さ調整と鍵盤が下がった時の深さ調整に必要不可欠なものです。
このクロスの下にごく薄い紙パンチングを敷き、高さの微調整をおこないます。
しかし、このクロスが虫食いで無くなった場合、鍵盤が凸凹になってしまい、ちゃんとした調整が出来なくなってしまいます。
ピアノの虫食いとは何か
ピアノの虫食いは、虫や害虫がピアノに使われているフェルトやクロス、木材に穴を開けることによって発生します。これらの穴が鍵盤の機能や音質に悪影響を与える可能性があります。
酷い時はピアノ本体を穴だらけにする場合もあり、ピアノの音質が変わるだけでなく強度や耐久性にも悪影響を及ぼす可能性があります。早期発見と修復が重要です。
所々クロスが無くなっている。
今回はパンチングクロスそのものが被害に遭っているので部分交換でなんとかなるでしょう。
一般的なクロスパンチングの原因
一般的なパンチングの不具合は適切なメンテナンスが行われないことです。
また、湿度や温度の変化がピアノに影響を与え、パンチングの劣化を引き起こすことがあります。楽器を安定した環境に保つことが、パンチングの長寿命に繋がります。
頻繁に演奏されるピアノの場合、特定の鍵盤のパンチングがより早く摩耗する可能性があります。特に中音範囲。
それと強い力で鍵盤を叩くこともパンチングの劣化を早める原因となります。
虫食いが発生する理由
そして虫食いが発生する理由としてはピアノが湿気や害虫に晒される環境にピアノを設置しており、かつ人があまり近寄っていないピアノだと被害に遭いやすいです。
人が近寄らないと木材に虫が寄生しやすくなるためピアノを適切な場所に保管することで、虫食いを予防することができます。
また、定期的な清掃が行われない場合、埃や微粒子が積もり、これが虫の巣になる可能性があります。適切な清掃と防虫対策は虫食いの予防に効果的です。
ピアノの製造時に使用される木材の品質が低い場合、虫の侵入を受けやすくなります。品質の高い素材を使用することが、虫食いを防ぐための基本です。
これらの原因について理解することで、ピアノのパンチングと虫食いの予防策を講じる上でのポイントが明確になります。