鍵盤の状態確認
美しいピアノ鍵盤は、定期的なメンテナンスによって維持されます。
ピアノの使用頻度や環境によって、鍵盤の状態は異なります。もしピアノが頻繁に使用される場合は、表面に多数の傷が付いており、鍵盤の磨き作業が必要になります。
汚れの種類や他の素材部分の有無によって適切な磨き剤の選択が必要です。
良く鍵盤にアルコールがしみ込んだ布で拭いたりしてしまったり、アルコールが付いたままの乾いていない手で鍵盤を触ったりすると鍵盤上面の素材(アクリル)とアルコールが化学反応を起こして鍵盤表面にクラックと呼ばれるひび割れが発生してしまいます。
特にコロナが酷かった時期はこの鍵盤上面が割れて88本の鍵盤を全交換する事例もありました。
一見簡単に自分で綺麗に出来そうな作業ですが、ちゃんとした知識を持っていないと自分で修理作業を増やしてしまう可能性があるので、自分でする際は事前にピアノ調律師に確認したほうが無難です。
鍵盤を正面から見ると表面に汚れが付着しているのが確認できますね。
この状態では美観が損なわれてしまうので表面を綺麗に磨き上げていきます。
ピアノ鍵盤は固定式の卓上グラインダーに柔らかく繊細な磨き布を取り付け、磨いていきます。
細かな傷をつけずに鍵盤を磨くことができます。
しかし、磨く前に鍵盤全体を注意深く検査し、欠けや傷があれば修復が必要となります。
そのまま磨いていくと傷が深い鍵盤の場合はどんなに時間を掛けて磨いても綺麗になることは少ない。なぜなら溝にゴミが溜まっていくので、どんなに綺麗に磨き上げても徐々にその溝にゴミが溜まり始まり、黒くなっていくからだ。
その際は潔く上面を交換したほうが早い。
交換しないままでいるとのその鍵盤だけ汚くなり、周りと比べ目立ってしまうからだ。
組み込み作業の前準備
汚れていた鍵盤の磨き修理が終わったら次は鍵盤の軸になる「バランス/フロント」キーピン磨きを開始する。
ただの真鍮の棒ですが、重要な部分である。
ここの表面に錆や汚れが着いていると鍵盤が思うように動作しなかったり、汚れのせいで雑音が出てしまう場合があるからだ、
クリーニングの作業をする時は必ず、ここの部品は磨いていかなければならない。
そこまで汚れは酷くはないが、目を凝らして見ると黒い汚れが付着している。
金属用の研磨剤を使用しピカピカに磨いていく。
黒い汚れが取れたのを確認したら表面に付いた研磨剤を布で拭き取っていきます。
ちゃんと拭き取らないと錆の原因になるので、注意が必要。
磨き作業が終わったら本体に鍵盤と修理したアクションを組み込んで内部の調整作業に入ります。