部品の交換作業
前回の作業は現地にて脱弦作業を行ったので、今回は必要な部分を修理/用意/掃除をしていきます。
弦を交換すれば全て終わり!!
…ということではなく、中の摩耗した部品や内部機構がちゃんと動作しているのかを確認しないといけません。

前の投稿にも述べたように弦が断線しているピアノというのは設置している環境の湿度が高いと起きやすくなる。
…ということは、他の金属部品にも言えるわけで…
案の定、ハンマーの軸部品[センターピン]がサビついて動作不良になってました。
元と同じような状態に戻すには弦の張替えだけでなく、他の部品も交換することで、かつてのピアノの状態に戻すことができます。
弦を張り替えてピアノがスムーズに動作しなかったら元も子もないので、動作に必要な部品は必ず交換していきましょう。

勿論、摩耗した部品の中には見た目重視の部品もあります。
画像の緑色のクロスは弦の下に敷いてある「弦まくら」と呼ばれる部品。
この部分も劣化の影響で色がくすんでるので、新品に交換。

綺麗になりましたね✨
正面に見えるクロスや金属部品は目につきやすいところなので、綺麗にこしたことはありません。
弦だけ張り替えたり、新品にしたりすると弦だけが映えて目立ってしまいますからね、ダンパーもしかり。

という訳で音を止めるためのダンパーも掃除。
表面に油や汚れが付着して艶が無くなっている。
元々は表面に艶があってとても綺麗な状態ですが、このままだと美観的によろしくないので…

綺麗にします✨
艶が出ましたね。
ダンパーも一番見えやすい部品ですからね。
これぐらい艶が出ていた方が新品の弦に見劣りせずに済みます。
内部機構の動作不良を修理したり、掃除をしたりと色々こなしてようやく弦の張替え作業に移ることができます。
…が、その前に鍵盤蓋の調子も悪いので部品を確認/交換作業もしていきます。

鍵盤蓋のクロス[赤い矢印]
昔のピアノの場合は鍵盤蓋のクロスにバネが当たって開閉してるタイプが多い。
見たでも分かるように摩耗してボロボロになってますね。
ここの部分は弦や音色、見た目にはあまり関わりはありませんが、摩耗したままのクロスで蓋を閉めると変な感触がしたりします。
今回はお客様に相談されたので、ここの部分のクロスを新品に交換することになりました。

ということで、新品に✨
クロスが摩耗して形がとんでもないことになっているのが分かります。
このまま使用していたらクロスが破れて鍵盤蓋の木を削っていったことでしょう。
タイミングが良かったですね👍

なんやかんや工房での作業が終わったら交換修理済みの部品や新品の弦、工具を車に積んで、もう一度お客様宅へ
次はメインの弦張り作業となります。
SNSでも作業風景を投稿しております♪
午後からはヤマハNO.G2
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) March 24, 2025
内部部品の交換作業中〜
今回はハンマーを下から突き上げる[ジャック]という部品
この部品が動作不良を起こすとキータッチが重くなり、連打もしにくくなって演奏に支障が出る💦
ということで、毎度お馴染みの軸部品(センターピン)を交換していきます🪛 pic.twitter.com/H9K0O1aQf6