こんばんにちは。
このクリーニング記録も12回目になりますね。
あと3回ぐらいですかね・・・もうしばらくお付き合いください💦
さて、『鍵盤の高さ調整』、『鍵盤の深さ調整』が終わったので、次はハンマーと弦の接近距離の調整『レットオフ』と呼ばれる作業を行います😊
実を言うと鍵盤は物凄くゆっくり押してくと音は鳴りません。
それはハンマーは弦に接触する前に弦から離れる動きをするからです。
このゆっくり鍵盤を押した時のハンマーが弦に最も接近した時の弦との距離を2ミリ~3ミリになるように調整していきます。
ちなみにハンマーの接近調整と作業名がありますが、ハンマー自体を調整するわけではないのです。
この赤い丸部分ですね。
ここが『レギュレティングスクリュー』と呼ばれる部品で、調整を行う部分になります。
そしてこの『レギュレティングスクリュー』に繋がっている部品が『レギュレティンボタン』と呼ばれる青い丸部分になります。
基本的に赤い丸部の『レギュレティングスクリュー』を右に回すと『レギュレティンボタン』は下がり、『レギュレティングスクリュー』を左に回すと『レギュレティンボタン』は上がっていく仕組みになっています。
この部分を調整することによってハンマーの接近距離は変わりますが、あまりにも弦とハンマーが近いと一回の打鍵で音が二回生じる二度打ち(リバウンド)と呼ばれる現象が起きたりするので慎重に調整を行います。
なにより、この部分は高温多湿の状態で設置しているピアノだと高確率で錆びてしまい、回そうにも回せない状況もあります。
その場合は無理に回そうとせず、『レギュレティングスクリュー』を温めて回していきます🪛
無理に回そうとするとスクリューが折れてしまい、大変なことになってしまいます😥
この作業は鍵盤を一つ一つゆっくり押していき、目視で2ミリ~3ミリの距離を測って揃えていく作業となります。
これが『レットオフ』。
ずっとmm単位での作業を88本続けると流石に眼がチカチカていくのでその時は少しピアノから離れます💦
特に低音部の巻き線は銅線が巻かれているので余計に眼がチカチカしますね。
ちなみに、この『レットオフ』作業は寒暖差とピアノの使用頻度で変わっていきます。
頻繁に弾いているピアノだとハンマーと弦の距離は広くなり、逆に高温多湿だと距離は狭くなります。
何故かというと前述に述べた『レギュレティンボタン』の先端にはクロスが貼られてあるため、使用頻度が高いと言うことはクロスが凹んで距離が広くなるということ。
逆に高温多湿だとクロスが若干膨れて『レギュレティングスクリュー』を右に回した時と同じ状態になってしまうということです。
そのため、ピアノ調律時にはメンテナンスも含めてこの『レットオフ』調整も確認して、気になるところは直していきます👍