長かった大正ヤマハの修理作業も今回の記事で終了となります。

それでは作業を再開しましょう👌

新しく張った弦の音上げは一通り終わったので、組み上げて中の整調を行い、屋根を取り付けていきます。鍵盤と中のアクション修理は完了済みなため本体に組み込んでいきましょう。

見慣れた形になりましたね。

中の整調は現在のピアノと同じです。

以前クリーニングしたU3Hと作業手順は全て同じなので、もしよろしければこちらから。

ただ、アンティークピアノを修理したり整調する時は作業中に接着剥がれが起きることが多いので手元に接着剤を用意しておきます。

整調作業が終わったら次に屋根を貼り付けていきます。

ただ貼れば良いという訳でなく、ちゃんと屋根が閉まる位置に屋根があるかどうか確認してから貼り付けないといけません。

貼ってみて閉まらない場合はもう一度剥がして貼り付けなくてはいけなくなるので💦

久しぶりに見る屋根ですね。

最初の頃、ピン板交換作業をするために取ってから約5か月間本体と離れ離れになってました。

この屋根を接着していきましょう。

ちゃんと屋根が閉まる位置確認が済んだら屋根の裏を綺麗に掃除していきます。

屋根の裏には前に接着した名残がまだあります。

表面が平じゃない状態だと接着不良の原因になるのでサンダーを使い、表面に付いている接着剤を除去していきます。

昔の接着剤は「膠」が使われているので結構堅い😅

根気よく取り除いて表面を平らにしたら屋根を本体に圧着していきます。

中途半端に接着してしまうと運送中に取れたり、演奏中に雑音が出る原因にもなるので、ちゃんと圧着していきます。

圧着作業が終わったら、再度音上げを行います。

やはり弦が新しいので調律してもすぐ狂います。

この場合はおおよその調律を施す「粗律」を行って弦を馴染ませます。

音上げの作業が終わったらピアノのパネルを組み上げていきましょう。

完成です👍

このピアノを修理をする前はどれほどの作業内容と時間が掛かるのか見当が付きませんでした。

何せ部品が当時の次規格と合っているかも分からず、なかった場合は自分で作るしかないので半年以上は掛かると覚悟していましたが、作業を進めるにつれ、このピアノには驚かされる場面が結構ありました。

このピアノはとても整備し易かったのです。

現代に製造されたピアノのほとんどは機械が作っており、ネジ穴や外装パネルの形、どれもが精度の高い仕上がりです。

精度が高ければ高いほど整備はしやすいのです。

しかし、この時代に製造されているピアノのほとんどは全て手作業で作られているのにも関わらず、現代のピアノとそこまで差異は感じませんでした。

今のように機械化が進んでいる訳ではない時代なので、この大正ヤマハの造りが以下に精巧だったのか分かります😊

「大正ヤマハ ピン板交換 修理」の作業にお付き合いいただきありがとうございました。

次回の修理作業の内容はもう少し簡潔にまとめて投稿しますので、よろしくお願いします。

それでは、また👋