それでは新しい弦を張っていきたいと思います😊

やり方は最初からチューニングピンに弦を巻き付けてから張っていくやり方と、本体にチューニングピンを打ち込んでいくやり方の二通りあります。

私は後者のやり方が張りやすいので、チューニングピンを打ち込んでから作業を進めていきます🛠️

本来ならここに「ピンブッシュ」と呼ばれる部品を入れていきますが、元の状態にはそれは入っていなかったのでこのままチューニングピンを入れていきます。

「ピンブッシュ」については今後の作業にも登場するのでその際に紹介しますね。

あらためてチューニングピン、6.90×64を本体に打ち込んでいきます。

打ち込む際はちゃんと真っすぐに打ち込んでいきます🔨

弦を巻くことも考慮して、チューニングピンをある程度の高さまで均等に打ち込んでいき、高さを揃えます。

高さを揃えたら弦を保持する力、「トルク量」を念のため測定します。

測定機には0~23の値が書いており、弦を巻いた状態で18~22の値が出ていれば「トルク量」があると判断し、23の値を超えた場合は「トルク量」はあり過ぎると判断します🔍

弦が巻いていないこの状態で15~17の値が出ていれば特に問題はありません。

弦を巻いた後は大体、18~20程の値になっていますので。

この測定器を使う時は打ち込んだ時にチューニングピンが他のチューニングピンと比べ、抵抗なく打ち込まれたチューニングピンを測定する時に使う道具なので使う時は限定されております。

抵抗が無いということはその分「トルク量」が無いということですので…ともかく怪しい部分のチューニングピンを測定し終わったら弦を巻いていきます。

ピアノによっては弦を巻く回数が違うため、弦を外す前に何回弦を巻いているのか記録していなければいけません。

外国だと弦は4回~4回半巻、国産だと3回~3回半巻程の巻き方になります。

今だと外国と国産関係なく4回巻が主流なようですが、製造されたピアノの年式や設計機構において4回~4回半巻が合わない場合があるので注意して巻いていきましょう。

大正ヤマハの場合は弦の巻き数は3回巻なためオリジナルと同じように張っていきます。

中音から高音まで巻いたら今度は低音を張っていきます。

低音の巻線は巻き線屋さんから届いたらすぐ張らないと弦が使い物にならなくなってしまいます💦

巻き線は芯線の周りに銅線を巻きつけた弦です。

その弦をそのまま手付かずにしていると芯線に巻き付けている銅線が緩んでしまい、「ジン線」と呼ばれる雑音が発生してしまいます。

折角の新しい巻線がそうなってしまうのは悲しいので、届いたらすぐに新しい巻線を張っていきましょう。

巻線が張り終わったら最後に音上げをしていきます、張ったばかりの弦は音が滅茶苦茶なので、1から順に音を上げていきますが、いきなり音を上げるのは良くありません。

いきなり音を上げると全体のバランスが崩れてフレームにヒビが入ったりすので、少しづつ音を上げていきます👍