それではピン板交換修理の『ピン板合わせ』を引き続き行いたいと思います。
あれから何回もフレームを上げては下げ、下げては上げてを繰り返し行っております。
基本『ピン板合わせ』の作業は同じ工程をずっと続けます。
(1)フレームを上げて裏に「弁柄」を塗る。
(2)フレームを下げたらすぐに上げて「弁柄」がどれくらいピン板に付着しているか確認。
(3)ピン板に付着した「弁柄」を粗いペーパーで削る。
(4)フレームを上げてる状態なので裏に「弁柄」を塗る。
この(1)~(4)の作業工程を何度も何度もひたすら繰り返します。
同じ作業が毎日続き、ピアノによっては一か月以上掛かる場合があるので根気のいる作業です。
一応、この大正ヤマハの場合は凹凸のない真っすぐな状態のフレームだったので、『ピン板合わせ』の作業は、2~3週間ほどで完了になりますね😊
上の画像は10数回目ぐらい『ピン板合わせ』をした状態ですね。
既存のピン板と比べるとまだまだ赤くありません。
このように点在している「弁柄」の部分が先にフレームに当たった部分と判断します🔍
そのため、この部分を削っていけば必然的にピン板の表面が徐々に赤くなっていくということです。
それでは我武者羅に作業を進めていきましょう。
という訳でこんな形まで『ピン板合わせ』が進みました。
途中グラインダーを使って削ったりして時間を短縮したつもりでしたが、ここまで「弁柄」が付着するのにはやはり時間は掛かりました💦
上の画像は高音部分になりますが『ピン板合わせ』は全体のピン板にバランスよく「弁柄」が付くようにしなくてはいけません。
下の画像は中音の範囲です。
こちらはバランスよく「弁柄」が付着しております。
あとは低音の範囲を見てみましょう。
低音は手前でなく奥のほうが先に「弁柄」が付いている感じですね。
「弁柄」のピン板に付着する付き方としてはもう少し削ったほうがよい状態ですので、低音の手前部分にもう少し「弁柄」が付着するまで削っていきましょう。
それが終ったら一度「弦圧」を大まかに測定し、ピン板全体に付着した「弁柄」を軽く削り取っていきます🧯
なぜなら、この『ピン板合わせ』が終わったら、次は弦を巻き付ける役割を持っている「チューニングピン」を入れるための穴開け作業を行うからです。
「弁柄」がべったり付いている状態で穴あけ作業を行うと「弁柄」の染料が手に付いたり服に付いたりしてしまってとんでもないことになるので・・・💦
ちょっと小奇麗になりました✨
まだ「弁柄」が残ってたりしていますがこれは許容範囲です。
ここまでの作業で大体2週間程度経過していますね。
時間があっと言う間に過ぎる作業です🙂
残りの作業はチューニングピン用の穴開け作業が1~2日ほど掛かり、あとの3~5日はフレームとピアノ本体のバランスを確認する「フレーム合わせ」となります。
『ピン板交換』の進捗自体は40%ぐらいまで進んでいるので、残りの作業工程に気を付けながら進めていけば大丈夫でしょう👍
それでは、また👋