ピン板を外す前に大正ヤマハの現状を確認しなくてはいけません🔍
何度か修復されている跡はあったので、全体的に修理を施さなくてもよい部分は多々ありましたがピン板も含め、木材の経年劣化による駒や響板等の割れはありました。
この駒と響板割れはフレームを取り外した後に修理作業を行います。
本来なら本体を寝かして弦を取り外す作業に移りますが、今回はピン板交換をするため最初に屋根を外さなくてはいけません。
屋根を取るためにはスクレーパーやそれなりに長い道具を用意して本体と屋根が接着されている部分の隙間に打ち込んでいきます🔨
この作業はとりあえず打ち込んでいく作業なので、1~2日は掛かりました💦
接着面を綺麗に剥がさないで取ろうとすると最悪屋根をもう一度作らなくてはいけなくなるのでゆっくり時間を掛けて屋根を取り外していきます。
こんな感じですね。
中々綺麗に取れました👍
それでは本体を寝かして既存の弦を取り外し、このピアノの本命修理となるピン板の現状確認をします。
100年以上経つピン板は年季が入っております、オーラを感じますね。
これから自分がそのピン板を交換すると思うと感慨深く感じます。
ピン板はやはり割れておりました。
応急処置としてチューニングピンが入る穴の中に堅木が入っておりましたが、この応急処置は本当にただの応急処置なので修理とは呼びません。
この応急処置を施しているということはもう限界だったのでしょう。
修理をするタイミングとしてはちょうど良かったのかもしれませんね👌
それでは弦を外し終えてはいるので既存のピン板も取ろうと思います。屋根を取った時と同じ要領でピン板もスクレーパー等を使って取っていきます。
本体とピン板を取るには屋根よりも時間が掛かっちゃいましたね。
100年以上前の接着剤でもしっかり付いておりました。
基本的に昔のピアノは接着剤が弱くなっているので、普段のピアノ調律をしている最中に接着不良による雑音が出たりする場合があるので周りを良く聴きながら確認してはいますが、今は接着剤がしっかり付いているピン板をスクレーパーで外していくのに専念します。
本体とピン板の接着面は屋根と比べると多めに接着剤を塗っていたのか中々取れません。
取るための根気と時間の作業がずっと続きます。
そして何度も何度も隙間に入れ続けて大分時間は掛かりましたが無事ピン板も屋根と同じくらいに綺麗に外すことが出来ました。
あとは取り外したピン板を静岡のピアノ部品屋さんに新しく作ってもらうためピン板を梱包して送ります。
これで、ピン板の取り外し作業は完了。
特に問題もなくスムーズに運んで良かったですね。
新しいピン板が届くまでは大体1か月以上は掛かるので、その間に別の修理作業を開始します。
次は駒の修理作業でも始めようかな。
それでは、また👋