M302の内部クリーニング、調整作業が完了。
最後にお客様からご希望があった消音装置をピアノ本体に取り付けていきます。

静岡から取り寄せた消音装置。
演奏時に発生する音を軽減するための装置です。
通常、ピアノは強い音を出す楽器のため近隣の人々や共同住宅内での使用においては騒音の問題があります。
ピアノ消音ユニットはこの騒音を抑えるために設計されており、ピアノの音を静かにすることができます。

ピアノの演奏音は鍵盤が下がった際、センサーによって検知され、音声データに変換されます。
このデータは内部の音源モジュールで処理され、あらかじめ録音されている音がヘッドフォン、もしくはスピーカーから再生されます。

この方法により他の人にはほとんど聞こえない状態で、演奏者は音を聴きながら練習することができます。

そしてピアノ消音装置の使用時の音質やタッチの変化について。
消音装置を取り付けることで、わずかな音質の変化やタッチ感の微妙な違いが生じることがあります。ただし、多くの消音装置は元のピアノの音色やタッチ感を出来るだけ損なわずに再現するように設計されています。

これらの動作原理によって、ピアノ消音ユニットは騒音を軽減し、演奏者に静かな練習環境を提供します。

それでは早速、消音装置を取り付けていきましょう。

消音装置を付ける時に掛かる期間は中の調整を施しているピアノであれば、メーカー問わず一日で済む作業です。

しかし、なんでもかんでも全てのピアノに簡単に付けられるという訳ではありません。

加工しないと装置そのものを付けることが出来ない場合があります。
今回はまさしく加工しないと付けることができない状況でした。

今回のように工房でクリーニング作業をした後に付ける場合は加工を含め、2日ほど。
もしお客様宅で作業をした場合は工房と行ったり来たりを繰り替えすため約5日程度掛かる作業でもあります。

勿論、消音装置の部品を本体に取り付けて作業は完了ではありません。


消音装置付き用のピアノとしてハンマーと弦の距離を再調整し、改めて音が出てないか確認していきます。

消音装置の取り付けが完了しました。
これで時間問わず、弾けるようになりました。

ピアノの音色と響きはとても美しく、感動的な演奏体験を与えてくれます。

しかし、練習や演奏中に周囲の騒音や近隣への配慮が必要な場合はピアノ消音装置が昼夜問わず、練習することが出来る環境を作り上げる頼もしいパートナーとなることでしょう。