外装の磨き作業が終わったので今度はピアノに使われている金属部品を磨いていきます。
ピアノに使われている金属部品は、湿気や酸化によって錆びやすいです。
錆びが発生すると金属の強度が低下し、部品の機能に支障をきたす可能性があります。
ヤマハM302の脚の先端部分。
真鍮が使われていますが、経年劣化と酸化で綺麗だった真鍮がくすんでしまっている。
下の部分であまり見えないとはいえ、このまま目覚めが悪いので磨いていきます。
金属専用の研磨剤を使用し、柔らかい布で金属表面を磨いていきます。
円を描くように磨くことで、均一な仕上がりになります。専用のポリッシャーを使用すると、より効果的に鏡面仕上げが可能です。
ポリッシャーは適度な圧力をかけながら磨くため、手作業よりもムラが少なくなります。
最後に、専用の保護剤を塗布し、金属部分を保護します。
これにより、錆びや汚れが付きにくくなります。
ピアノの金属部分として代表的なのはペダル、ロゴ、蝶番等が挙げられます。
次はロゴの状態を確認していきましょう。
こちらも本来の艶が無くなり、くすんでしまっていますね。
こちらも磨いて綺麗にしますが、上記と同じように磨くと外装にダメージを与えてしまうためやり方を少し変えて綺麗にしていきます。
今回のような木目の塗装が施されている場合はロゴの周りをテープで覆い、外装に干渉しないようにしてから作業を開始します。手順としては…
- 柔らかい布と中性洗剤を使用して、錆びた部分を優しく拭きます。これにより、表面の汚れや軽い錆びが除去されます。
- 研磨剤(例:ピカール等)を柔らかい布に少量取り、錆びた部分を円を描くように磨きます。軽い力で磨くことがポイント。
- 磨いた後は、清潔な布で研磨剤の残留物を拭き取り、最後に乾燥した布で仕上げます。
上記の手順を行うことで本来の艶を取り戻すことが出来ます。
ロゴの部分は装飾的な役割を果たしているためここが綺麗になるだけも大分印象が変わります。
ピアノはインテリアとしても重要な役割を果たしているため金属部分がくすんだり錆びたりしていると、全体の美しさが損なわれます。
その状態を回避するには金属部品を磨くことでピカピカの状態となり、部屋全体の雰囲気を良くすることができます。
特に目に入りやすいのはペダル
汚れや錆びがあるとペダルの動きがスムーズでなくなり演奏に支障をきたしてしまうだけでなく、美観にも影響を及ぼしてしまう部分。
特にペダルは、頑固な錆びが付いていることがあるため手磨きでしようとすると結構時間が掛かってします。
そのため専用の卓上研磨機で表面を磨いていかなくはいけません。
綺麗に仕上がりました。
最後は柔らかい布で表面を拭き取り、乾燥させます。
ピアノの外装を綺麗にし、美観を良くすることも大切ですが、金属磨き作業も外装の磨き作業と同様に損なわれてしまった美観を取り戻す大切な作業です。
Xでも作業風景を投稿しております♫
ピアノ本体を起こすためペダル磨き中〜
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) May 16, 2024
午後からは日本橋でピアノ調律があるため
とりあえずペダルをピカピカに✨
それじゃあ行ってきまーす🚃 pic.twitter.com/ZFuT0bwzYI