内部の金属磨き作業が終わったので、次は外装パネルのクリーニング作業を開始。
外したパネルを一つ一つ確認して綺麗にしていきます。
ピアノの外装仕上げには、黒い鏡面仕上げ以外にも様々な方法があります。
半艶消し仕上げ
鏡面仕上げほどの高光沢はありませんが適度な光沢を持ち、落ち着いた上品な外観。この仕上げには、主にウレタン塗料が使用され、耐久性と美観を両立させています。半艶消し仕上げは、傷が目立ちにくく、手入れが比較的簡単であるため、家庭用ピアノにも適しています。また、過剰な光沢が抑えられることで、室内の他の家具やインテリアと調和しやすい。
オープンポア仕上げ
木材の自然な質感を活かした仕上げ方法です。この仕上げでは塗膜が薄く、木材の表面に塗料が染み込むことで、木目や質感が際立ちます。オープンポア仕上げは油性塗料やウレタン塗料が用いられることが多く、木材そのものの風合いを楽しむことができます。この仕上げは、ナチュラルな外観を好む人々に人気。また、木材の呼吸を妨げないため、湿度の変化に対しても適度な柔軟性を持ちます。
両者の主な違いは、光沢の程度と木材の質感の強調にあります。半艶消し仕上げは適度な光沢と耐久性を持ち、手入れがしやすい一方で、オープンポア仕上げは木材の自然な美しさを引き立て、ナチュラルな外観を提供します。それぞれの仕上げ方法には独自の魅力があり、個々の好みやピアノの使用環境に応じて選ぶことが重要です。
今回のM302は光沢はあまりなかったので、どちらかといえばオープンポア仕上げに近い。
ピアノの外装に傷や剥がれが生じた場合、適切な修理を行うことで美しい外観を保つことができます。
矢印のように色が剥げているので再塗装します。
最初に修理が必要な部分をよく確認し、汚れやホコリを取り除きます。
傷の周辺を軽く拭き、傷の状態によってはウッドフィラーやパテを使用して傷の部分が周囲の表面と均一になるように研磨します。
あとは修理部分に塗装を施しますが、塗料は元のピアノと出来るだけ同じ種類と色を選び、薄く均一に塗布します。
必要に応じて、複数回重ね塗りを行います。
塗装が完全に乾燥したら、最後に柔らかい布で優しく磨くことで、修理部分が元の表面と一体化し、自然な仕上がりになります。
綺麗になりましたね✨
ピアノの外装塗装は美観を保つために非常に重要です。
塗装によりピアノは艶やかで魅力的な外観を維持できてインテリアとしても一段と引き立ちます。
さらに適切な塗装は、木材や金属部分を湿気や汚れから守り、耐久性を大幅に向上させます。
塗装が剥がれたり、傷ついたりすると内部の木材が露出し、腐食や損傷の原因となります。
そのため定期的な補修と塗装の更新はピアノ本体の寿命を延ばし、音質を保つために不可欠です。
Xでも作業風景を投稿しております♫
ヤマハM302🎹
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) May 13, 2024
ピアノクリーニング作業の続き。
鍵盤蓋に付いているロゴが経年劣化のため艶が無くなり、くすんでいる。
外装も色褪せているのでロゴと一緒に綺麗にしていきます✨ pic.twitter.com/mIm9R7NfZZ