ピアノ内部のクリーニング
本体を寝かしたので内部のクリーニング作業を開始。
ピアノはメンテナンスを通じて美しい音を奏でることが出来る楽器です。
特に内部のクリーニングはピアノの使用期間を延ばし、最良の音質を維持するために不可欠。
今回はピアノ内部の清掃方法、サビ取りと予防を書いていきたいと思います。
ピアノの内部は時間とともにホコリが溜まりやすくなり、そのホコリが弦やハンマーに付着すると音質に悪影響を及ぼすだけでなく、内部機構の動作を妨げることもあります。
とはいえピアノ内部の普段手の届かない部分の清掃は、より細心の注意が必要。
しかもピアノという楽器はヴァイオリン等の楽器と比べて大きい楽器。
隙間に入って積もったホコリや金属部品に付着したホコリを無くすには専用の掃除道具が必要になります。
ピアノ内部のクリーニングブラシ
細かい部分に届くブラシを使用して、ハンマーや弦の周りのほこりを丁寧に取り除きます。
エアコンプレッサー
手の届かない部分のホコリを吹き飛ばします。特に、手の届かない部分や鍵盤の奥に溜まったホコリを効果的に除去できます。
自分で行うことも可能ですが内部のホコリが自宅内でまき散らしてしまうので、この作業を行う場合は工房でするのがベストです。
不安な場合はピアノ調律師に相談するのが良いでしょう。
サビ取りと予防
上記の道具を用意したら内部の掃除、金属部品の磨き作業に入ります。
ピアノの金属部品。特に弦やペダルは、湿気や手の汗などでサビが発生しやすい部分です。
サビを取り除くことで、ピアノの美観を保ち、音質にも良い影響を与えます。
また、定期的な手入れでサビの発生を予防することも重要です。
弦やペダルのサビ取りには、専用の道具と正しい手順が必要です。
ここでは、サビ取りの具体的な方法を説明します。
- サンドラバー :粗~細かい粒度のサンドラバー使用します。
- 布 :柔らかい布を用意し、サビを取り除いた後に拭き取ります。
- ワイヤーブラシ:チューニングピンの隙間から研磨する工具
内装クリーニング手順
手順:
- サンドラバーでサビを軽く削り取り、弦の場合は特に慎重に行って弦を傷つけないようにします。
- サビが取れた部分を柔らかい布で拭き取ります。
- チューニングピンの隙間から研磨して美観を取り戻します。※上記の動画がこの作業になります。
良く見ると金属部分が錆付いている。
この部分を綺麗にするためにはワイヤーブラシを使って付着しているサビを取り除いていきます。
サビ取り後の手入れ
綺麗になった金属部分✨
サビ取り後の手入れも大切。弦やペダルが再びサビるのを防ぐために、定期的なメンテンナンスを行いましょう。
- 乾燥した環境を保つ:ピアノの設置場所は湿気が少ない場所が望ましい。湿度管理には除湿機や湿度計を使用するのがベストです。
- 定期的な清掃:定期的に布で拭き取ることで、汗やほこりが付着するのを防ぎます。
- 防錆剤の使用:ごく少量の防錆剤を定期メンテナンス時に使用することで、長期間にわたりサビの発生を予防します。
ピアノのクリーニングは適切な道具と修理方法を駆使することで、音質や美観を保つための重要な作業になります。
Xでも作業風景を投稿しております♬
おはようございます☀
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) May 14, 2024
朝はちょっと肌寒いですね。
午前中のピアノ調律に行く前に本体の金属磨きを開始。
弦が巻いてあるチューニングピンを磨いていきます(8倍速)✨ pic.twitter.com/gu3g1BpWGU