今回でネズミ被害にあったヤマハU30BLも今回で最後になります。
あっという間でしたね。
出庫作業が終わり、お客様宅へピアノを納品作業も無事完了。
本来であればこの納入調律で作業は終わりですが、金属疲労で断線してしまった低音部の弦(巻き線)を巻かなければいけません。
静岡の巻き線屋さんから新品が届いたので、早速巻いていきます。
ピアノの弦は一本につき、79~90㎏の張力が掛かっています。
機種にもよりますが、ピアノ1台に張られている弦は約220~230本なので全体の張力は約20トンにもなります。
20トンと聞いてもよく分からないと思いますが、大きいトラック一台分ぐらいですね。
また、弦一本は79~90㎏の張力が掛かっているため大柄で筋肉隆々な人がぶら下がっていると想像して貰った方が分かりやすいかもしれません。
ピアノ一台にそれほどの力が掛けられているため金属疲労を起こしている弦は断線しやすくなります。
⇚の画像は新しい巻き線を張る前の状態。
端の部分になると特に張力が掛かっているため弦は切れやすくなっています。
とはいえ年数が経っているピアノの場合、巻き線に限らず芯線も切れる可能性が高いので断線してしまった場合は早急に新しい弦を用意して張っていきます。
新品の巻き線が張り終えました。
やはり既存の巻き線と比べると色が全然違いますね。
THE・新品という感じがします。
あとは弦が落ち着くまで定期メンテナンスを行い、音を馴染ませていけば大丈夫。
日本には四季があり、温度・湿度変化に耐えるだけでなく常にこの張力にも耐えなくてはいけません。
年に1~2回の調律が必要な理由の1つではないかと思います。
という訳で、今回の修理作業はここまでとなります。
アクションの修理費用で80,000円。内外装の清掃で22,000円。弦交換で6,600円。調整/調律で¥22,000。運送費も入れると合計で約190,000円程度になりました。
ネズミに荒らされたのが原因でアクションの修理費用がかさんでしまいましたが、お客様が弾いて満足のいく状態までピアノを回復できたので良かったです👍
それでは、また次回。
別の作業になりますがよろしくお願いいたします👋
Xでも作業風景を投稿しております♪
本日はヤマハU30BLの納品調律。
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) June 2, 2024
作業する前はネズミ被害に遭っていて弾けない状態でしたが、修理したことでスムーズに動くようになりました👍
末永くお使いくださいませ🎶 pic.twitter.com/YFkXd13w6b