アクションの修理作業
内部の清掃に金属の磨き作業が終わったので、今回のメイン作業に入りましょう。
ハンマーがが外れてぐちゃぐちゃになったアクション。
改めて見ると凄いですね💦
ハンマーが取れて音を出すことが出来なくなってしまっていますね。
このままではまともに弾くこともできないので、とりあえず取れてしまったハンマーを全て回収し、再度取り付け。
…と言いたいところですが、今回の場合は余りにも状態が酷い。
それを踏まえて別の不具合が出ていないか確認してみると…
内部にホコリが積もりに積もっている。
しかもネズミが荒らしまわったのかハンマーのフェルトにもネズミが齧った痕跡がある状態。
その齧ったフェルトが下に落ちたのか真っ白な埃が積もりに積もっています。
このまま放置しておくとカビや虫が湧いて二次被害が出る可能性があるので埃を除去していきます。
また、埃を除去して終わりと思いきや、なんとハンマーの接着不良も発生しておりました。
この接着不良が発生しているということはピアノを設置していた環境の温湿度の差があまりにも激しいと起きる現象。
木材が膨張と収縮を繰り返すと接着剤が剥がれて打弦する度に雑音が出てしまう。
一目見ると何も問題なさそうなため一番厄介な不具合でもあります。
本来であれば力を加えても動かないハンマーが上記の動画のようにちょっとした力で回ると隣のハンマーに干渉して動作不良や音が出ない不具合に直結するので改めて再接着していきます。
再接着するには接着剤が剥がれた表面部分に塗るのではなく、一度ハンマー(ハンマーヘッド)を外してから中にも満遍なく接着剤を塗って取り付けていかなくてはいけません。
なぜなら、木材と木材の間にちょっとした隙間があるだけで打鍵時に異音が発生してしまうからです。
という訳で、再接着準備。
接着剥がれが起きていたハンマー…多いですね。
あとはハンマーを取り付ける棒の周りに接着剤を満遍なく塗ってハンマーを一本づつ回して取り付けていきます。
接着剤もすぐ固まってしまうので、ハンマーの向きに気を付けながらひたすら迅速にかつ丁寧に再接着し、作業は完了。
今回の作業はネズミの被害によるダメージが大きかったので、普段の内部機構の修理費用(大体¥60,000)より+¥30,000ほど費用が掛かりましたが、ハンマーの再接着に加え、損傷の激しい部品は新品に交換したので見間違えるほどスムーズに動作するようになりました。
あとは修理したアクションをピアノ本体に組み込んで調整作業に入ります👍
Xでも作業風景を投稿しております♬
ヤマハピアノのアクション修理作業🛠️
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) May 27, 2024
U30BLのメイン作業です。
分解していくと部品がボロボロ落ちる💦
今回一番の問題はこのアクション機構なので早急に修理していく🛠️
ハンマーの修理は後にして破損してる部品交換とアクション内に溜まっているゴミや埃を取り除いていきます✨ pic.twitter.com/WcdJfYmVZB