ワグナーピアノのクリーニング作業✨


ワグナーピアノ W2C は、1980年代を中心に国内で広く普及したアップライトピアノ。

当時の国産ブランドならではの堅牢な造りと温かみのある音色が特徴です。

ワグナーには主に広島製と浜松製があり、製造工場の違いで部品仕様やアクション設計が異なる場合があります。

W2Cは主に浜松系の製造が中心で、国産ピアノらしい堅実な構造が評価されています。

しかし、製造から数十年が経過した現在では、フェルトの劣化やハンマーの摩耗、ダンパーや弦の不具合など、経年劣化による修理が必要なケースが増えています。

今回、工房でメンテナンスすることになったワグナーピアノも部品の経年劣化が激しく見受けられたため工房でクリーニング/修理することになりました。

特に同時期の他機種と比べてアクション部品の個体差が大きく、修理・調整には一定の経験と専門性が求められます。

修理にあたっては、アクション全体の分解調整、ハンマーやダンパーフェルトの交換、さらには外装やペダル周りのクリーニング・補修も視野に入れる必要があります。

費用は内容によって大きく異なりますが、基本的な修理/調整であれば10万~20万円台、本格的なオーバーホール(弦交換等)ではそれ以上になることもあります。

今回の作業をするに当たってお客様とご相談し、基本的なクリーニング/修理で十分ということで…

早速分解して本体を寝かしていきます。

アクション内部は弦やハンマー、フェルト、ダンパーなど多くの部品があり、細かい埃が演奏性や耐久性に影響を与えることがあります。

専用の器具で慎重に分解・清掃され、必要に応じて微調整(整調)も実施されます。

外装は仕上げられてる表面の種類で細かい傷の補修や艶出しが対応可能。

ワグナーピアノの表面はラッカー塗料が施されていたので、専用の研磨機で傷を除去

くすみや曇りが気になる場合も、プロの研磨技術で見違えるような光沢を取り戻せます。

勿論、傷だけでなく、くすみや曇りが気になる場合も、研磨をすることで見違えるような光沢を取り戻すことが可能です。

ワグナーのロゴとロゴ周りの傷も…

綺麗に✨


長年使用されたピアノは、外装に傷やくすみが目立ちます

外装表面をを研磨することで、美観を回復することができるクリーニングはオススメの作業でもあります。

外装の磨き作業が終わったら内部調整作業を開始。

長年使用していると鍵盤の高さや深さ、その他諸々の部分が既定の基準からバラバラになっていることが多く、タッチに影響が出てしまうので全体のバランスを揃えつつ..

違和感のある部分を見つけては修理を繰り返し、動きを滑らかに。

全体的な鍵盤のタッチ/バランスを揃え、音色も一つ一つ揃えたら外装を取り付けて…

ピアノが運送屋さんに引き取られるのを見送って作業は完了となります👍

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