外装を磨く際は塗面を削って傷を無くしていきますが、その際には必ず研磨剤の粉や埃が結構出ます。

しかもその出た粉塵は空気中を漂うので外装クリーニングをする際は防塵マスクを身に着けて作業を行わなければなりません。

人によってはアレルギー性鼻炎になったりするので防塵マスクは必要なのです❗

また、粉塵が本体に掛からないようにマスカー(テープ付きのビニールカバー)を使います。

結構この作業をするかしないかで大分作業効率が違くなります。

折角ピアノの埃や中の掃除をしたのに外装を磨くことでまた粉塵まみれになったのを掃除するのは嫌なので、外装磨きをしない部分はマスカーで覆って粉塵が被るのを防ぎます👍

外装クリーニングは本体の外装を天屋根、鍵盤蓋の手前と奥、上前板に下前板と多くのパネルを磨いていきます。

外装クリーニング自体の作業時間はそのパネルの状態によって左右されます。

傷等が多く付いている場合だと本体含め4日程は掛かります。

逆にそこまで傷が付いていない場合は2日程で磨くことが出来ます😊

外装が終わり次第、底板を取り付けてピアノ本体を起こします。

その後は害虫被害にあったキーピンの交換を行います。

キーピンには二種類あり、フロントキーピンとバランスキーピンがあります。

どちらも鍵盤の軸になる大切な部分ですがフロントキーピンは正面から見て手前、バランスキーピンは奥にあるキーピンを指します。

前のブログにも載せた被害に合ったキーピン、これがフロントキーピンになります🔍

錆を落とす専用の薬品を使っても落ちず、なにより緑青も付いているので手の施しようがありません😣

この部分は交換しないといけないので、新しいキーピンを用意します、ニッケルです。

昔のピアノは真鍮を多く使っていますが、現在は錆にくいニッケルを使っています。

しかし、ニッケルもあまりにも高温多湿のところに置いていたら錆びたり緑青が付いたりしますのでご注意を💦

それでは新しいキーピンを用意できたので交換作業に移ります🔨

さて、一番被害に合っていた黒鍵のフロントキーピン。

既存のフロントキーピンを抜いたので穴が一列に空いております。

この穴にフロントキーピンが刺さっておりました。

今思えば、くぼみに結構なゴキブリの糞尿があったため、そこに近いキーピンが被害に合ってしまったのでしょう💦

新しいキーピン交換をする時はただ交換すればいいという訳でなく、入れる際にフロントキーピンの厚さと木の抵抗感があるかどうかも確認しなくてはいけません。

なぜなら、元の厚さが揃っていない状態で入れると鍵盤が上手く入らなかったり、木の抵抗感がない状態でキーピンを入れるとスカスカの状態になっているので、キーピンが抜けてしまう場合があります。

なので交換作業をする際は確認しながらキーピンを入れていきます👌

木との抵抗感があるのを確認しながら入れていき、ようやくフロントキーピンの交換作業が終わりました。これで真鍮から錆びにくいニッケルになったので安心ですね😁

そして、フロントキーピンの磨き作業が終わったら今度はバランスのキーピン磨きになります。

ここはフロントキーピンではなく、バランスキーピンと呼ばれる部分です。

害虫被害はほとんどなかったので今回は磨き作業で綺麗にしていきます🧯

表面が綺麗になり、艶も出て滑りも出ました✨

これで鍵盤もスムーズに動きます🎹

一応、本体の外装クリーニング及び、金属磨きは終わりました。

次は掃除したアクションの部品交換に移ります。それでは、また👋