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STEINWAY Model.45 

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Twitterにも定期的に載せてる修理。時間の都合上、不定期になりますがTwitterに載せれなかった作業をこちらに載せていこうかな~と思っています。

今回は弦交換のみの作業となるため作業自体はそれほど掛からない作業になります。

スタインウェイ特有のかまぼこ型のバランスパンチングクロス。色々試行錯誤してこのタイプの形になったんでしょうね。テコの原理を応用して鍵盤のタッチを軽めになるようにしているんだとか・・・このあとは弦を外しやすく、また張りやすくするために本体を分解していきます。

弦を外すには、棚板と呼ばれる鍵盤がある部分を外さくてはいけません。この赤い部分ですね。まず国産のピアノも外国のピアノもここの部分を外さないととても作業効率が悪くなります。なので・・・

取っちゃいます。本当なら取っている写真も載せたかったのですが見当たらなかったので途中まで弦を外している写真を載せました💦

遠目から見ると気づきませんが、弦に錆が出ております。それじゃあ早速弦を外そう!!

という訳でなくその前に必要な部分の測定をしてから弦を外していきます。この測定をしないまま弦を張るととんでもないことになるので注意が必要です。

測定が測り終えたら、脱弦を開始します!!軍手等を使わないとあっという間に手が錆だらけになります。一本づつ束ねて・・・

脱弦完了!!

後はフレームに付いている弦枕と呼ばれる赤いクロスを剥がして新しいクロスを張替える準備に取り掛かります。

左の画像の赤い部分ですね。

ちなみに下の画像の左のクロスが既存のクロスで、右が新しいクロス。

年数が経っていると弦の跡がくっきり付いて、色も褪せてるので交換します👌

さて、弦を外したので次はチューニングピンを取っていきます。

スタインウェイに限らず外国産のピアノは国産のピアノと違い、ブッシュと呼ばれる木の部品がありません。そのため一つ一つ真っすぐに抜いていかなければなりません。

張弦用のチューニングハンマー(T字型)を使っていきます👌

全てのチューニングピンを取り、寸法を測って新品のディアマントのチューニングピンを用意します。

既存のチューニングピンの直径と長さは7.15ΦX62mm。

現在取り扱われているディアマントのチューニングピンは長さが57mm、60mm、64mmの3種類になります。

長さが62mmのチューニングピンは入手困難なチューニングピンで、中古のものでしかありません。

基本的に既存の物と同等のものを使いますが今回は長さ60mmのチューニングピンを使っていきます。左が国産のピアノに多く使われる7.15ΦX64mm

右が修理中のスタインウェイに使われていた7.15ΦX62mm

若干、右のほうが短いですね👍

ドイツのKlinke社製で作られているチューニングピン「ディアマント」👍

これを本体に一本づつ打ち込んでいきますが、地味な作業で時間が掛かる💦

ひたすら2百数本を打ち込んでいきますので体力もいる作業になります。

新品のチューニングピンの打ち込みが完了♪

新しい弦枕を用意し、あとはひたすら弦を張っていく・・・の前にまずチューニングピンの「トルク」があるか確認します。

「トルク」っていうのは簡単に言うと「音程の保持力」

チューニングピンは、ネジと同じで、時計回りに回して行くとめり込んでいき、逆に回すと緩んで出てきます。つまりピンが緩むと音程は下がり、めり込んでいくと音程は上がっていきます。
この「トルク」を出すのに欠かせないのが「ピン板」と呼ばれる部分です。

フレームの下には「ピン板」という、積層合板で出来た板がありますが、その板にチューニングピンが程良い力で打ち込んであるため、音程が保持できるトルクが出ます。

「ピン板」に関しては後日「大正ヤマハ(鳳凰モデル) ピン板交換 修理」として詳しく載せたいと思います👍

今回は「トルク」も十分あるので本格的に弦巻開始!

基本的に、チューニングピンは同じ向きになるように位置を揃えます。大体、正面から見た時計でなら6~9ぐらいの位置かな?

全てぴったし揃えるように、ピンを巻いていきます。

スタインウェイの場合、低音は3回半だったり中音~高音までは4回だったりなので同じように巻いていきます♪

ちなみにフルコンなどの大きいピアノは次高音から高音までが4回巻きだったりします。
理由としては、ピンの高さを揃えるのには必然的に巻き数が多くなるからです。

左の写真は最初に弦を外した時の既存の巻き線。右の写真は新しい巻き線、色が全然違います(笑)

ちなみに今回使う芯線はレスロー、巻線はレスローの芯線にデーゲンの銅線を巻いた物になります。👍

弦については日本では鈴木金属工業製、海外ではドイツのレスロー社製が有名で低音は弦に重量を持たせ、低い周波数を短い弦長で得る為に99%の純粋な銅線を使っています。

国産では古河電工や住友電工、海外ではドイツのデーゲンが有名ですね。

これを一本づつ丁寧に張っていきます。

もうそろそろスタインウェイの弦の交換作業は終了となります。

巻き線も張り終えることができたのでプレッシャーバーを元の高さに戻し、三つ割、こき上げ、 弦の間隔を整えていきます。

勿論、弦を張った状態で放置するとチューニングピンに変な癖がついてしまうため、「チッピング」と呼ばれる作業を開始します。

おおまかに音程を合わせることで、弦の張力のバランスを整えます。とても大切な作業です。

しかし、次の日には大分音程が下がるので、次の日にもう一度チッピングをしていきます👌

今回の作業でスタインウェイの弦交換作業は完了となります。傷がつかないよう取り外した外装パーツを慎重に組み上げていく。

まず鍵盤が載る棚板を付け、次は脚を付けていきます。

ピアノは全て同じではありませんので組み上げていく順番が違ったりします。そのため臨機応変に組み上げていきます。

STEINWAY Model.45 

現行のModel.1098のピアノと同等の小型サイズピアノ。

本来なら鍵盤を入れて、アクションも入れて調整開始!・・・といきたいが、今回の修理は弦交換のみということで作業は終了!

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