現地にてクリーニング作業✨
今回の作業内容はスタインバッハのアップライトピアノ🎹
スタインバッハピアノは、かつて日本の「平和楽器製作所」が手掛けたブランドで戦後から2000年代初頭まで高品質な手工芸ピアノとして愛されてきました。
現在では製造は終了していますが、OEMによる復刻版や中古市場で根強い人気を保っています。
そんなピアノを直して欲しいと依頼がありました🎵
お孫さんがピアノを弾く予定のため実家で眠っているスタインバッハをもう一度メンテンナンスして欲しい!!
・・・という訳で、一度お伺いしてピアノの状態を確認、
当初、ピアノの状態をお客様に聞いたところ
「動きが悪く、打鍵した際に鍵盤が元の位置に戻らない」
と、事前に情報をお教え頂いてたので、重点的に鍵盤や内部機構の状態を確認。
・・・ふむふむ。確かに
ピアノの状態としては動作機構に必要な部品の経年劣化が原因で動きが鈍くなっていたのを多々確認。
年数が経っていた影響もあるので鍵盤下にホコリが溜まっていました。
ホコリをそのままにしとくと虫が湧いてピアノの部品等に被害を出しかねない。
お客様と相談し、今回は現地クリーニング作業を行うことに決定しました。

鍵盤下に結構ホコリが溜まってますね。
埃や汚れが鍵盤や内部の機構に付着すると、ピアノのタッチが鈍くなったり、重く感じることがあります。

お客から掃除機をお借りして中をスッキリ。
これで虫害の心配はありませんね✨

埃を除去し終えたら今度は鍵盤の軸になる「バランスキーピン」の磨き作業
この部品を良く見ると表面に緑青が付いているのがわかりますね。
この緑青がタッチを鈍くしているので・・・

表面の緑青を全て除去していきます。
表面の汚れや錆び、緑青を取ることでスムーズに鍵盤が動くようになります。

中の掃除、金属部品の磨き作業が終わったら今度は鍵盤蓋に付いているロゴの部分。
劣化して表面が茶色く錆びついてますね
この部分は特に動作機構や音色に直接的な関係はありませんが…
見栄えが悪いので…

表面を「ゴシゴシっ」
磨いて艶を出していきます✨

勿論、ペダルも・・・

綺麗に✨
これだけでも大分印象が違くなるので結構オススメ👍
とりあえず、現地で出来る限りのクリーニング作業が終えたので、今度は内部機構の部品修理。
部品交換は現地では困難なため車に積んで工房で修理します🛠️

どのピアノにも言えますが年数が経っているピアノのほとんどは部品が劣化し、交換が必要な状態。

どんなに外装や金属部品が綺麗になっていても中の動作機構の部品が正常な状態じゃなければ満足にピアノは弾けないので…
サビたり劣化して千切れている部品は新品に交換していかなければなりません。

部品交換だけでなくハンマー表面の整形作業も行います。
打弦し続けているハンマーの表面には弦の溝が深く付いていて徐々に音が硬くなり、「キンキン」と、うるさい音色が出てしまうので…

表面を綺麗に整形し、弦の溝無くします。

劣化した部品の交換にハンマーの整形作業
色々な修理作業が終えたらピアノ本体に納めるため再度、内部機構を車に積んでお客様宅へ向かいます🚗

ハンマーの整形作業を行った場合は整音作業も必要なので最後に調律🎵
調律と整音が終わったら作業は完了。
作業は大体3日程度。
- 一日目はクリーニング作業
- 二日目は工房で部品交換
- 三日目は再度お客様宅で最終調整
スムーズに作業が進みましたね。
お客様も喜んでいただけました👍
ピアノを清潔にすることはピアノの寿命を延ばし、音質を向上させる効果があります。
長くピアノを使用するためには、内部部品の交換が欠かせません。
これにより機構のスムーズな動作が保たれ、ストレスなくピアノを使用することができます。
Xでも作業風景を投稿しております♪
本日はスタインバッハ🎹
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) April 15, 2025
平和楽器製作所が製造していたピアノのブランドですね
お孫さんがピアノを使うことになり、メンテナンスすることになりました。
とりあえず、ペダルがサビついてるので綺麗に✨
あとは内部機構(アクション)を修理するため工房へ持ち帰りまーす🚗 pic.twitter.com/9QVkUy7MZo