ハンマーの整形作業が終わったので、ペダルを磨いて本体を起き上がらせる工程に入ります。
ピアノペダルの役割
ピアノのペダルは、演奏において音色や音の持続、ダイナミクスをコントロールするために欠かせない役割を果たしている部品です。
また、ペダルは3本ともそれぞれの役割があります。
ダンパーペダル
ダンパーペダルは右側に位置しており、最も頻繁に使用されるペダルです。ペダルを踏むことで、すべてのダンパーが弦から離れ、音が持続します。これにより、音の響きが豊かになり、連続した和音やメロディーをスムーズに演奏することができます。
マフラーペダル
マフラーペダルは中央についているペダルです。
(※アップライトとグランドピアノでは中央のペダルの効果が異なります。)
右足を使いペダルを下に一度下げて左に動かすとペダルの位置が固定され、音が半分以下の大きさとなります。※たまに右に動かしたり固定式のピアノもあります
音が小さく変わる事から弱音ペダルとも呼ばれ、ご自宅での夜間の練習等の大きな音で練習できない時にはこちらのマフラーペダルを使用して練習ができます。
ソフトペダル
左側に位置するソフトペダルは音のボリュームを下げ、より柔らかい音色を作り出すために使用されます。アップライトピアノではハンマーと弦の距離が短くなることで同様の効果が得られます。
この3本のペダル使い分けることで、演奏者はより豊かな表現力を持つことができます。
しかし、この状況では綺麗に磨くことが出来ないのでペダルを分解し、一本づつ手作業で磨いていきます。
ペダルがくすんだりサビる原因
高湿度の環境は金属部分の錆びを促進します。
特に真鍮やメッキされたペダルは、湿気に敏感であり、錆びやすくなります。湿度管理を怠ると、ペダルの見た目や機能性に悪影響を及ぼします。
上の画像がまさしくそんな状態。
また、温度変化もペダルの状態に影響を与えます。急激な温度変化は金属の膨張と収縮を引き起こし、これが原因で錆びや腐食が進行することがあります。安定した温度環境を保つことも重要です。
👈磨き終えたペダル
磨く前と比べると全然違いますね。
真鍮は錆びやすい金属ですが、美しい光沢を持つ素材でもあります。
定期的なメンテナンスを怠ると、ペダルの錆びやくすみが進行し、美観を損なうだけでなく操作性にも悪影響を与えます。
定期的な掃除と保護剤の使用が推奨されるので、調律時に一度確認して貰うのがオススメです。