内部のクリーニング作業は、ピアノの部品の状態を確認する良い機会でもあります。
掃除中に部品の摩耗や劣化をチェックし、早期に修理や交換が必要な場合は交換したり…これにより、ピアノの寿命を延ばし、高品質な演奏を維持できます。
とりあえず、前回の作業が外装の全塗装でしたので、今回の投稿内容は内部のクリーニング作業からお客様宅へ納品している場面まで一気に行っちゃいましょう。
それでは…早速クリーニング作業を開始👍

経年劣化で表面がサビついてしまった金属部品。
脚周りの部品はグランドピアノだと結構目立つ部分でもあるため表面を綺麗に磨いていかなくてはいけません。
錆取り剤と研磨剤を使い、表面をピカピカにしていきます。

綺麗になりましたね✨
勿論、このままだと表面が酸化し、同じように錆びついたり、傷が付いてしまうため表面上にコーティング剤を塗布し、汚れと傷を予防していきます。
ここが綺麗なままだと印象が大分違くなりますからね。
コーティング剤を綺麗に塗っていきます。
金属部品の磨き作業が完了したら今度は内部のクリーニング作業を開始。
この部分も経年劣化の影響で表面がくすんでいる。

よーく見ると艶も出ていない。
正面に見える目に入りやすい部品がこのままでは折角のピアノが勿体無いので、専用の機械で表面をピカピカにしていきます。

美観を取り戻しました。
金属をそのままにしとくと劣化が早まって表面がサビついて部品が破損する恐れがある。
とはいえ現地でクリーニング作業をしようとするとホコリやゴミが大量に出てしまうので、工房でするのが一番適しています。

内部の金属部品の磨き作業が完了したら他の部品も綺麗にしていきます。
よく汚れが付着して表面がべた付いたり、埃が被って艶が無くなったダンパー
この部品も手前にあるため表面の汚れを除去していきます。

ピッカピカになりました~
ちょっと磨くだけでも大分違くなります。
ピアノの機種やメーカによって本数はかわりますが、大体69本近くはあるので、黙々と綺麗に仕上げていきます。

内部のクリーニング作業が終わったらメインの調整作業を開始。
必要な工具を作業台に並べて効率よく作業を開始します。
ピアノの調整作業は、ピアノの音質や演奏性を向上させるために欠かせない重要なプロセスでピアノのアクション調整では、タッチやハンマーの調整が行われ、演奏性を向上させます。

調整作業はミリ単位の世界のため
どこからどこまで調整するか?
何の調整が必要か?
などを考えつつ、正確な調整とタッチ、鍵盤の反応を最適化していきます。

ある程度の状態まで調整をしたら全塗装し終わった外装を組み上げて全体のバランスを確認。
たまに塗装の色やムラが強調されてしまう場合がありますので、全塗装をした際は確認しなくてはいけません。

特に問題がなければ、運送屋さんが引き取りに来てくれるまでピアノにカバーを掛けて大事に保管。
出庫時には遠くから見守ります。

全ての作業工程が終わり、無事ピアノはお客様宅へ到着。
サロンコンサートが出来そうな素敵な場所にピアノが設置されました。
艶消し塗装が良い味を出していますね👍
今回はクリーニング作業とはいえ艶消しの再塗装が施されたグランドピアノ。
通常のクリーニング作業ではなく、再塗装を含めたクリーニング作業となりましたが、お客様も喜んでいただけるほど外装は綺麗になりました✨
カスタマイズされた外装の修復作業は時間はそれなりに掛かりますが、その分だけ視覚的に感動を与えてくれる大切な作業でもあります。
Xでも作業風景を投稿しております🎵
全塗装したディアパソンピアノの納品調律が完了
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) April 12, 2025
サロンコンサートが出来そうな素敵なお部屋にピアノが設置されました〜
お部屋にとってもマッチしていてピアノが輝いて見えます✨
思う存分ピアノライフを楽しんでいただけたら嬉しいです☺️
今後ともよろしくお願いします🙇 pic.twitter.com/Y90VwIrLEB