ピアノのオーバーホール作業とクリーニング/メンテナンス作業の違い🎹

ピアノは長年の使用によって音質やタッチが劣化していきます。

そうしたピアノを根本的に修復し、本来の性能を取り戻すために行われるのが「オーバーホール」です。

オーバーホールは単なる調律や部分的な修理とは異なり、ピアノを分解して内部の摩耗した部品を交換し、音色や演奏性を回復させる大掛かりな作業です。

年数が経っているピアノの場合、部品が摩耗していることが多々あり、次のような問題が発生します。

 

⚠️ 鍵盤の戻りが悪くなる

  • アクション部品のフェルトが摩耗

⚠️ 弦が切れる

  • 錆びや劣化が進行

⚠️ ダンパーが正常に動かない

  • 音が止まらなくなる

 

特に、半世紀近く経っているピアノは弦が切れやすく、内部の木材やフェルトも劣化していることが多いため、注意が必要です。

 

 

※画像は弦が切れて音が出せなくなっている状態のグランドピアノ🎹

これではまともに弾けないのでオーバーホールをしなくてはいけません。

 

 

オーバーホールとメンテナンスとの違い

 

ピアノの「オーバーホール」とは、楽器を新品同様の状態に戻すための大規模な修復作業を指します。

一方、「クリーニング」「メンテンナンス」

それに「調律」は、音程を整えたり、部分的に修理を施したりする作業のことを言います。

オーバーホールとの大きな違いは、作業の規模と目的です。

 

オーバーホールで改善できること

オーバーホールによって、以下のような問題を解決できます。

音がこもって聞こえる

  • 弦の交換・ハンマーの調整により、クリアで豊かな響きを取り戻す。

鍵盤の動きが重い・バランスが悪い

  • アクションの修理・整調によって、スムーズな鍵盤タッチに改善。

低音や高音の響きが悪い

  • 弦や響板の修理・調整により、全音域でバランスの取れた音を実現。

ピアノの外装が傷んでいる

  • 塗装や補修を施し、美しい外観を再生。

特にピアノの弦やハンマーは経年劣化しやすく、交換することで劇的に音質が向上します。

ピアノのオーバーホールとは、単なる修理ではなく、ピアノ全体を見直し、長年の劣化を根本的に改善する作業です。

特に「音質が悪くなった」「鍵盤の動きが鈍い」「思い入れのあるピアノを長く使いたい」

と、このような問題は調律だけでは解決しないことも多いため、既存の部品を一新するオーバーホールを検討する良いタイミングかもしれません。