ピアノの調整作業が終わったので、調律を開始。
張ったばかりの新しい弦は伸びきっていない状態のため調律をしてもすぐ音が下がり、狂ってしまいます。
新品の弦は、まだ金属としての伸縮に余裕があるため張力が安定していません。
弦がピンと張られた状態になじむまでに時間がかかるため、どうしても音が狂いやすくなります。
また、新しい弦はわずかな温度変化や演奏の振動にも影響を受けやすく、音程が安定するまでにはピアノを弾いて弦を馴染ませる必要があります。

よく弾くピアノは弦が早く馴染む傾向がありますが、逆に頻繁に張力が変化するため不安定な時期が長引く場合もあります。
調律で音が落ち着くまでの間は、急激な打鍵は控えめにするのが理想です。
張り替えから音程が安定するまでには、1~2年近くかかるのを目安にしていいただければ大丈夫です。
音色に関しては新しい弦の場合、音が明るく、やや金属的な響きになる傾向があります。
これは弦がまだ“馴染んでいない”ためであり、時間の経過と共に落ち着いた音色へと変化していきます。
- 音の変化に違和感を感じたら、無理に演奏を変えず、まずは弦が安定するまで様子を見る
- 気になる場合は、整音(ハンマーの針刺しなど)で音のバランスを調整することも可能です
とはいえ、弦を張り替えた後に音が狂いやすいのは避けられない自然な現象。
しかし、次の2つのバランスを保つことで、よりスムーズな安定が見込めます。
- こまめな半年調律
- 適切な室内環境の管理
これらを意識することで、ピアノの寿命や音色の質も大きく向上します。

6~7回にわたるピアノの調律が終わったらパネルを組み上げて全体的な音色を確かめます。
パネルがあるかないかで音色も違くなるので、組み上げた状態で音色を確認し、気になるところがある場合はその部分を拾って調整していきます。
さてさて、そんな最中に嬉しい出来事が…

フクヤマピアノの修理を依頼していただいたにお客様が確認も含め、遊びに来てくれました~
嬉しいですね😊
直ったピアノを見てお客様も驚いておりました👍
とりあえず、音色等に問題は無かったので早速、ピアノを納品する流れに…

いつもお世話になっている運送屋さんがピアノを引き取って…

お客様宅へ🎹
無事、納めることができました!
ということで、「FUKUYAMA フクヤマピアノ オーバーホール 張弦作業」の投稿はこれで最後となります。
元々、お祖母様が使っていたピアノをお孫さんが使用するということで、フクヤマを修理することになりましたが、お客様が満足のいく状態にまで修理/復元できたのは良かったですね~
世代を超えて受け継がれていく、そんな蘇ったピアノに携わることが出来て嬉しいものです。
それでは、また👋
SNSでも作業風景を投稿しております♪
朝一からフクヤマピアノの納品調律
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) November 28, 2024
お祖母様が使っていたピアノをお孫さんが使用するということで、経年劣化した部品の総取り替えが完了。
無事蘇りました✨
世代を超えて受け継がれていく、そんな蘇ったピアノに携わることが出来て嬉しいものです☺️
たくさん弾いてね〜🎵 pic.twitter.com/XZAhArijmu