それでは今回はカワイのアップライトピアノ BL71のクリーニング作業を開始。

グランドピアノのような譜面台を兼ね備えたカワイの上級モデル。

カワイの創業者でもある河合小市さんの設計によるグランド式譜面台スタイルでもありますね。

ピアノとしては重厚感のある中低音域がとても魅力的。

最上位機種の名は伊達ではありませんね。

元々、お客様も高校生時代まで使っていたらしいピアノで受験を機に間が空いてしまったそうな…あるあるですね(笑)

クリーニング/修理するためのお見積り中の画像。

倉庫にピアノを保管していたため若干、虫害に遭っていましたが被害は軽微。

手を加えれば綺麗になる状態でした。

とはいえ20~30年以上、メンテンナンスがされていない状態。

試弾をしてみると案の定、音は下がっていました💦

お客様にも現状、調律時に断線する可能性があることも考慮し、どこまでクリーニング/修理すのか、外装の磨き作業をするかしないか、最低限の部品交換と調律で済ますか、色々なメリットとデメリットがあることをお伝えしなくてはいけません。

特に今回のピアノは海沿いのところに設置されていたピアノ。

潮風の影響で金属部品のほとんどがサビて使えなくなっていることが多く、交換しなくてはいけない場合もあります。

お客様に内容と大まかな金額をお伝えしたところ、今後使用すことも考えて劣化した部品の交換作業に加え、外装を研磨して綺麗に仕上げるクリーニング/修理作業となりました👍

という訳で工房にピアノが到着。

改めて見ると外装の表面がくすんで白くなっているのが分かりますね。

基本、年数が経っている黒いピアノはこの状態になっているのが多い印象ですが、研磨すればもう一度艶は出ますので、ここは一先ず我慢。

先にパネルや鍵盤を外していきます。

鍵盤とアクションが外し終わった状態のBL71。

中を確認してみると虫害の被害に遭った影響で赤いクロスが周りに散らばっている。

元々、丸い形をしていた赤いクロス。

見事に形が崩れてしまっていますね。

内部に埃や汚れ、異物が溜まると今回のような虫害に遭う確率が高くなってしまいます。

クリーニング作業はピアノの外観や音質、部品の保持に加え、内外装を綺麗にすることにより埃や汚れ、異物を除去することでピアノのパフォーマンスを最適な状態に戻すことができる重要な作業。

早速、作業を開始していきましょう。

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