ピアノの弦は主に鉄や銅などの合金が用いられています。
これらの素材は、強い張力に耐える耐久性があるため、長期間の使用に適していますが、弦自体は年月と共に劣化していきます。
特に温湿度の変化が激しい環境に置いてあるピアノの場合、弦が錆びて音質が低下していたり断線したりすることもあります。
特に元の状態が温湿度の変化が激しい環境に設置していたのが原因で弦が断線しておりましたので💦【詳しくはこちらから】
ピアノには2種類の弦が使用されてるためそれぞれ異なる音質と特性を持っています。
今回はただひたすら弦を張るだけの作業なため折角なので、それぞれの弦をちょっと紹介。
ミュージックワイヤー
中音~高音部の弦には、主に「ミュージックワイヤー」と呼ばれる鉄製の弦が使用されます。
定番の弦でもあります。
このミュージックワイヤーは、強い張力に耐えることができ、きらびやかな音を生み出すために適しています。
音の減衰が少なく、明瞭でクリアな音色が特徴な「ミュージックワイヤー」
特に高音域では音の鋭さが求められるため、非常に繊細な張弦作業が必要とされます
巻線弦
低音部の弦には「巻線弦」が使用されます。
これは周りに銅線を巻きつけた弦で、質量を増やすことで低音を出しやすくしています。
この巻線により、音が豊かで深みのある響きになります。
…が、その一方で経年劣化で錆びやすい特徴もあります。
そのため、低音部の弦には定期的な点検とメンテナンスが不可欠。
そして新しい弦び交換することで共通しているのは張り替え後は音がよりクリアに響きますが、そのため響きが際立ちすぎる場合もあります。
それは新しい弦に交換した際は張力が不安定のため音が特に狂いやすく、音の反響が強かったり、音の立ち上がりが鮮明で音がシャープに聞こえることが原因のため
しかし、時間が経つにつれ、伸縮を繰り返し、次第にピアノ全体の音質と調和してくるため初期段階では調律を半年に1回行うことで、徐々に弦の張力と音質を安定させる必要があります。
このプロセスを経ることで、安定した音色とバランスが得られ、他の弦との響きも均一になり、理想的な音色を表現することが出来るピアノに生まれ変わります。
Xでも作業風景を投稿しております♬
グランドピアノの張弦作業🛠️
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) June 30, 2024
低音、中音、次音高、高音…
セクションごとに巻いていく弦は決まっている。
どの弦を巻いていくのかを確認(青い矢印)しながら新しい弦をひたすら巻いていきます👍 pic.twitter.com/GVpCzjHuew