今回はピアノフレームを洗っていきます。
その前にピアノフレームとは何か?ちょっと説明します。
フレームはピアノ全体の音質と耐久性に大きな影響を与える重要な構造部分です。
ピアノの弦には非常に高い張力がかかっており、グランドピアノでは200本以上の弦が総計20トンを超える力で引っ張られています。
この張力を支え、ピアノ全体の構造を安定させるのがフレームの役割です。
フレームがしっかりと設計されていることで弦が安定し、音の品質や耐久性が保たれます。
さて、そんなフレームですがピアノの設置環境によっては汚れが付着し、その部分からサビが発生したり、音の伝達や共鳴に悪影響を及ぼす場合もあります。
表面にチラホラと汚れ(黒いシミ)が確認できますね。
そして黒くサビだらけになったフレームに付いてあるアグラフ。
元々は金色の艶のある部品でしたが、経年劣化で黒くなっちゃいました。
このままでは音質的にも良くないので、フレームを綺麗に掃除していきます。
フレームはピアノの内部にあり、外からは見えにくい部分ですが、定期的な掃除が必要です。
ホコリや湿気、サビなどがフレームに蓄積すると、見た目だけでなく音質や耐久性にも影響を及ぼす可能性があります。
今回のように埃が溜まりに溜まっていたピアノは特に💦
何よりフレームにサビが発生すると、弦の振動に影響を与えてしまいます。
特にフレームと弦が直接接触する部分でサビが発生すると雑音がでたり、音質が悪くなり、響きが途切れる可能性があります。
これにより、全体的な音質が損なわれ、音楽の表現力に悪影響を与えます。
という訳で、早速フレームに付着している汚れを除去していきましょう。
掃除手順はシンプルですが、ピアノのデリケートな部分に注意を払いながら行う必要があります。
正しい手順に従えば、フレームの汚れを安全に除去できます。
フレームにこびりついた汚れを取り除く際は、軽く湿らせた布や今回のようにオーバーホール時の際は水洗いをしながら錆びついた部分を綺麗にするのが主流です。
しかし、水分が多すぎると、フレームが再び錆びるリスクがあります。
なので、少し湿らせた布でフレームを一度、優しく拭きます。
そして水分がフレームの表面に残らないよう、乾いた布でしっかりと仕上げます。
この手順で進めていくとサビも取れてピカピカに✨
ちなみにエアコンプレッサーを使い、水を飛ばしながら掃除するのも手ですね。
汚れの蓄積は音質にも悪影響を与えるため、フレームの掃除は外観と音質の両面でとても重要です。
もし、フレームが劣化したり、サビが発生した場合、音の伝達や共鳴に悪影響を及ぼし、音質が低下します。
何より、長年の使用による劣化を防ぎ、ピアノを長持ちさせるためにもフレームのクリーニング作業は欠かせません。
と言ってもピアノのフレーム掃除は、自宅で行える部分もありますが、限界があります。
特にフレームの奥深くや、サビがひどくなった場合は、調律師に依頼するのが安全で効果的です。
今回のピアノのようにフレームが長期間掃除されずにいると、ホコリや汚れが蓄積し、見た目の美しさも損なわれます。
特にグランドピアノのように蓋を開けたら内部が見えるデザインのピアノでは、フレームが汚れていると外観にも影響を及ぼします。
掃除することによって、ピアノを美しい状態に保つことが大切です。
Xでも作業風景を投稿しております♪
フレームの汚れ落としも無事完了🎶
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) June 26, 2024
サビ付いて変色していたアグラフも綺麗になりました✨
あとはフレームを再度、ピアノ本体に取り付けるための下準備をして作業は終了。
お疲れ様でした👍 pic.twitter.com/xLUebkTbbp