金属磨き(前編)

ピアノ本体の内部清掃が一通り終わったら次は本体の金属磨き作業に移ります。
今回の金属磨きは前編と後編と分けて投稿していく予定です。

埃や汚れが弦や内部の金属部品に付着したままにすると、埃が空気中の水分を吸ってカビやサビの発生に繋がる場合があります。
内部のホコリや汚れを取るだけでなく、金属部分に付着した埃なども除去しないとピアノの劣化を早める原因になります。

弦/チューニングピンの磨き前

弦が巻き付いているチューニングピン。
一目見ると綺麗に見えますが、よ~く見ると金属部分がくすんで本来の艶が出ておりません。この状態はまだ大丈夫な範囲ですが、このままにしておくと徐々に表面がサビついて茶色くなっていく可能性があります。

そして弦にも茶色いシミが多々ありました。特に弦の部分はサビを放置しておくと断線して弾けなくなる可能性があるためサビを除去する際は丁寧に作業を進めていきます。

チューニングピンを磨いていく際は一本づつサビを落としていき、弦の場合は見る視点を変えながら磨いていきます。

そうしないと光の加減でサビが付いている部分とそうでない部分が顕著に出てしまいます。

また、この部分はピアノの内部機構を外した際にしか触ることが出来ない部分なので、お客様自身が中の金属磨き等をする場合は手を出さないことをオススメ致します。

弦/チューニングピンの磨き後

金属部分の磨き作業が完了しました。
最初の動画と比べると艶が出ていますね✨

外装があると滅多に見ることができない部分ですが、演奏するに当たってとても大事な部分なのでこれぐらい綺麗に仕上げます。

よくお客様から自宅でクリーニング作業をして欲しいと依頼して頂く場合がありますが、この清掃作業はとんでもない量のホコリと除去したサビのカスが出てしまう作業でもあります。

そのためお客様宅で掃除する際は思いっ切った作業をすることが出来ませんが、工房であれば特に気にせず埃や除去することができます。

工房にピアノが来た場合は必ず行う、定番ともいえるクリーニング作業とも言えます。

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