外装パネルに金属の磨き作業が終わったので、経年劣化した部品を新品に交換する作業を開始します。
ピアノのアクション機構は様々な部品で成り立っておりますが、今回は特に重要な「フレンジコード」を「ブライドルテープ」を交換していきます。
フレンジコードの役割
フレンジコードはピアノ内部のアクション機構において非常に重要な役割を果たしています。
具体的にはフレンジコードはハンマーの動きを制御し、手前に戻る動作をスムーズにするための部品です。
一目見ると綺麗に見えますが、よ~く見ると劣化して茶色になっていますね。
劣化してしまうのは湿気や乾燥などの環境要因も劣化の原因となります。
このままにしておくと紐を触っただけて千切れてしまうほどに摩耗していきます。
フレンジコードはピアノの演奏性能に直接影響を与えるため、しっかりと機能していることが求められます。
この部品が劣化したり切れたりすると、最も顕著に影響を受けるのはハンマーの動きです。
フレンジコードが正常に機能している場合、ハンマーは弦を叩いた後に速やかに元の位置に戻ります。しかし、フレンジコードが切れるとハンマーの戻りが遅くなり、次の音を出す準備が整わなくなるためハンマーの戻りが遅くなり、演奏が困難になります。
なので古いコードを慎重に取り外して溝に残った部分をきれいに除去してから新品のコードに交換していきます。
新しくしたので綺麗になりました。
これで鍵盤を押した際の反応が素早くなり、連続した音を出すことが可能になります。
この調子で「ブライドルテープ」も交換していきましょう。
ブライドルテープの役割
ブライドルテープはハンマーが弦を打った後に元の位置に戻るのをサポートする役割を果たします。
ハンマーが弦を打った後、次の打弦に備えてハンマーが迅速に戻ることが求められ、これをブライドルテープが補助します。
特に連打の際に重要な役割を担います。
とはいえ、劣化しているブライドルテープほど厄介な物はありません。
昔のままのブライドルテープだと動作不良や異音発生の原因になります。
「フレンジコード」同様、置いてある環境によって湿気や乾燥などの環境要因が劣化の原因。
年数が経っているピアノのほとんどは部品交換しないとまともに使用できないので。この部分も新品に交換していきます。
綺麗な「ブライドルテープ」になりました。
これで長く演奏することが出来ます。
新品に交換したあとは早速組み上げ。
このちょっとした部品の交換をするかしないかで音質やタッチが決まります。
ピアノの「フレンジコード」「ブライドルテープ」交換の必要性は、時間と共にお互い摩耗したり、劣化したりするためです。これにより、ピアノの音質や安定性に影響を及ぼす可能性があります。
定期的な交換作業はピアノの音楽性を維持し、修理や交換の費用を抑えるために重要です。
Xでも作業風景を投稿しております♫
ヤマハM302の部品交換作業🛠️
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) May 19, 2024
内部の部品は年数が経つと変色してるのが多いですね。
この状態のままピアノを弾き続けると部品が千切れて雑音が出たり、連打がしにくく演奏しづらい状態になる可能性が高いので新品に交換します✨ pic.twitter.com/yOfl5TLjrD