ピアノは美しい音色を奏でるために、数多くの部品が精密に作られています。
その中でも鍵盤の軸になる「キーピン」は、ピアノの鍵盤の動きを滑らかにするための重要な部品です。
キーピンの役割や機能を理解し、定期的にメンテナンスすることが、ピアノの音質向上や寿命の延長に繋がります。
という訳で今回はキーピンの基本的な情報を詳しく説明します。
キーピンの役割と機能
キーピンはピアノの鍵盤を支える金属製のピンで、主に「バランスピン」と「フロントピン」の2種類があります。バランスピンは鍵盤の中心近くに位置し、鍵盤が上下に動く際の支点となります。
フロントピンは鍵盤の前方に位置し、鍵盤の動きを安定させる役割を果たします。
これらのピンが適切に機能することで、鍵盤の動きがスムーズになり、演奏者が表現力豊かに演奏できるようになります。
⇚の画像に写っているのがバランスピン。
バランスピンに限らず、フロントピンも年数が経つとこのように表面がくすんだりサビついてしまっています
キーピンが汚れていたり、サビていたりすると鍵盤の動きが鈍くなり、演奏の際に違和感を感じることがあります。
これはピアノの音質やタッチにも直接的に影響します。
例えば、鍵盤の戻りが遅いと速い曲を弾く際にリズムが狂う原因になったり、音の連続性が失われることがあります。
また、サビたキーピンは摩擦抵抗が増している状態なため鍵盤を押す力が必要となり、長時間の演奏で疲労感を感じることがあります。
サビが酷い状態で鍵盤を取ろうとすると鍵盤と一緒にキーピンが抜けてしまうことがあるので注意が必要です。
定期的なメンテナンスの必要性
キーピンを定期的に磨くことはピアノのパフォーマンスを保つために非常に重要です。
特に湿気の多い環境では錆びが発生しやすいため、定期的なチェックとメンテナンスが欠かせません。これにより、ピアノの性能を最大限に引き出すことができます。
サビが取れたバランスキーピン。
真鍮製の部品なので磨くだけでもこんなに綺麗になりました✨
とにかく一本づつ、ひたすら磨く。
キーピンに付着した汚れや錆を除去することで、鍵盤の動きをスムーズに保ちます。
鍵盤の動きがスムーズになることで音の立ち上がりが良くなり、演奏表現の幅が広がります。
つまりキーピン磨き作業はピアノの音質向上に直結する作業でもあるのです。
また、定期的な磨き作業によってキーピンをサビから防ぎ、ピアノ全体の寿命も延長され長期間にわたり良好な状態を保つことができます。
このように、キーピンの役割や磨きの重要性を理解し、適切なメンテナンスを行うことでピアノを長く楽しむことができるのです。
Xにも作業風景を投稿しております♪
カワイのピアノクリーニング作業
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) March 13, 2024
年数が経つと真鍮製の部品は錆付いて変色してしまう💦
鍵盤が組み込んである状態だと見落としがちですが、サビや汚れは鍵盤の動きを鈍くしたり、雑音や調整時に鍵盤が抜けなくなる場合があります。
見えない場所こそ大事な部分なので綺麗にしていきます✨ pic.twitter.com/JvViv0TYjQ