消音装置取り付け作業

ピアノの演奏において周囲の騒音や近隣への配慮はとても重要です。消音装置は音の軽減効果や練習効果向上など多彩な利点を提供し、理想的な演奏環境を実現します。

ピアノ消音ユニットは、その名の通りピアノの音を軽減するための特別な装置です。ピアノの機種によって様々なタイプが存在します。

まず、消音装置を付ける利点について触れておきます。
ピアノ消音ユニットは音の軽減効果があり、周囲の騒音を大幅に抑えることで、隣人や共同住宅の方々への配慮が求められる環境では消音装置の使用によって周囲の騒音を最小限に抑えることが可能。
そのため夜中にストレスなく練習や演奏に取り組むことができ、技術の向上に繋げることができるのです。

しかし、ピアノ消音ユニットを取り付ける際には、注意点もあります。

ピアノの消音装置を購入する際には、価格帯と選び方のポイントを考慮する必要があります。一般的な価格帯の範囲や、自身の予算に合わせた選択が重要です。さらに消音装置にもグレードがあるので性能や機能、自宅のピアノのタイプに応じて適切な消音装置を選ぶことがポイントとなります。

中には取り付けることが不可能な場合もあるので注意が必要です。

そしてピアノ消音装置の使用時の音質やタッチの変化について。
消音装置を取り付けることで、わずかな音質の変化やタッチ感の微妙な違いが生じることがあります。ただし、多くの消音装置は元のピアノの音色やタッチ感を出来るだけ損なわずに再現するように設計されています。

それでは『サイレントの取り付け』作業を開始します。

必要な部品を取り寄せます。

今回も同様「Classic V2」と呼ばれる消音ユニットを取り付けていきます。

部品が全て有るか確認し、鍵盤やアクション等、組み上げた部品は一度取り外していかなくてはいけません。

鍵盤の下にセンサー類を設置したり、アクションにアルミのレールを取り付けていかなくてはいけなのです。

この本体に取り付けるセンサーは打鍵時に下がってきた鍵盤を捉えて音出す仕組みになっております。

センサーの配置を大まかに決めて、センサーレールを本体に取り付けます。
そのあとは鍵盤が下がった際に適切な高さになるように微調整を行い、配線を繋いでいきます。

現在はこのような非接触タイプで音を出しますが、昔のサイレントは非接触のセンサーでなくプラスチック製の部品に当たって音を出す接触式のタイプでした。

その接触タイプだと打鍵時に鍵盤が当たるので雑音の原因になるのが結構ありました💦

懐かしいですね😊

本体の配線接続が終わったら今度はペダルのセンサー類の取り付けと配線を行います。

ピアノによっては加工が必要になるので注意しながらセンサーを取り付け。

よくあるトラブルは下のパネルを付けようとしたら左ペダルのセンサーと当たって雑音がしたり、ペダルが作動しなかったりと注意する点があるので慎重に取り付けていきます。

ペダルのセンサー類が無事完了。

ペダルセンサーの取り付けと配線が終わったら、今度はアクションの消音時に音が鳴らないようにするための「ハンマーストップレール」を取り付けます。

このアルミのレールが手前になることでハンマーが弦に当たるのを防いで音を鳴らなくします。

あとはアクションを本体に取り付けて再度消音装置用のピアノに再調整していきます。

作業自体は最初から調整をやっていたので1日で終わりますが、メーカーによっては2~3日は掛かることがあります。

あとはアクションを取り付けて音漏れがないか確認していきましょう。

ピアノの音色と響きは美しく、感動的な演奏体験を与えてくれます。

しかし、練習や演奏中に周囲の騒音や近隣への配慮が必要な場合、ピアノ消音装置が昼夜問わず、練習することが出来る環境を作り上げる頼もしいパートナーとなることでしょう。

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