前回の続き→ YAMAHA アップライトピアノ U2 アクション引き取り修理作業④

アクションの部品交換が完了したので、次は預かった鍵盤の部品交換に入りましょう。

といっても今回交換する部品は音色や鍵盤のタッチに影響がある部分でなく、完全に見栄えのための部品で、かつ放置しておくと動作不良の原因にもなる部品の交換となります。

作業をやり易くするため白鍵のみ作業机に並ばせていき、状態を確認していきます。

シミとカビがこびり付ていますね。この汚くなっている部分を木口「こぐち」と呼びます。

この部分は1.5mm~2.0mmの白くて薄いアクリル板が貼っており、美観を綺麗にするための部品です。

鍵盤のタッチ、ピアノ本体の音色に影響を与える部品ではありませんが、ここまで汚くなっていると気にはなってしまいますね💦

木口は長年の使用や環境の変化によって劣化します。湿度の変化や温度の変動、経年劣化による木材の劣化などが原因となり、木口の割れなどが生じることがあります。

また、木口を放置しておくと徐々にアクリル板の劣化が進み、アクリル板そのものが反って演奏時に鍵盤が戻らず、その結果動作不良になってしまう場合があります。

ピアノの製造年数が経っていない鍵盤の場合は鍵盤専用の研磨機である程度の汚れを取りますがここまでくると新品の木口に交換したほうが時間のロスも少なくなるので既存の木口を頑張って外していきます。

白鍵に付いていた既存の木口を全て取り外すことができました。

アクリル板が貼っていない状態のピアノ鍵盤。この状態だと見栄えが悪いので新しい木口を用意して貼り付けていきます。

新品の木口が貼り終えたピアノの白鍵。これで見慣れた状態の鍵盤になりましたね。

綺麗です✨

勿論、貼り付けて作業は終わりではありません。新品の木口はどのピアノにも貼り付けることが出来るように一回り大きくなっているため余分に飛び出ている部分を削っていきます。

余分に飛び出ているのが確認できますね。このままピアノ本体に組み込んでいこうとすると鍵盤同士が干渉し合って鍵盤が下がったまま戻らず動作不良になったり、鍵盤を組み込むことができなくなります。

そのため余分に出ているアクリルを削り取り、鍵盤の幅に合わせていきます。

しかし、全体のバランスを確認しせずに削っていくと歪な形になってしまうのでバランスをみながら削っていきます。

ここまで形を整えれば本体に組み込んで大丈夫です。

とりあえず作業はここまで。

また次回にお会いしましょう👋

次回→ YAMAHA アップライトピアノ U2 鍵盤上面のバフ掛け作業+キーピンの磨き作業