前回の続き→ YAMAHA アップライトピアノ U2 チューニングピンの磨き作業

ピアノ本体の金属磨きが終わったので今度はアクションの修理を開始。

軽度なアクションの修理でしたら現地でもできますが、今回は部品交換に加え動作不良の修理をしなくてはいけないため一度アクションを工房に持って行きます。

車に積み込み中...

運転している最中にアクションが傷つかないようにシートとウレタンを敷いてアクションを工房に持って行きます。

車の揺れでアクションが倒れてしまい、ダンパーの形が歪んでしまうことも多々あるので、注意しながら運んでいきます。

部品交換の必要性

アクションを工房に持ってきた際は必ず動作確認と劣化した部品の状態を把握しなければなりません。

ちょっとした確認ミスが動作不良に繋がるからです。

まずは「ブライドルテープ」から確認しましょう。

ピアノのブライドルテープは、一般的に数年から数十年間使用できますが、使用状況や環境条件によっては劣化が早まることもあります。

ブライドルテープの劣化はピアノの演奏性や音質に直接影響を与える可能性があります。劣化したブライドルテープは、鍵盤からアクションにかけてのの正確さやタッチ感に影響を及ぼし、演奏の快適さや表現力を損なうことがあります。また、劣化したブライドルテープが異音や不安定な音色を引き起こすこともあります。

では、それを防ぐための確認はどうすれば良いか?

劣化状況を確認するには自分でパネルを取って確認するか、ピアノ調律師が来た際に確認してもらうかの二択になりますが、パネルを取るのに慣れていない方はピアノ調律師にお願いしたほうが無難ですね。

確認する時はブライドルテープ表面の色褪せや剥がれ、硬化やひび割れ、糸のほつれや縫い目のほどけなどが劣化の兆候ですが、ピアノの使用頻度や使用環境によって、ブライドルテープの劣化速度は異なります。頻繁に演奏されるピアノや、湿度や温度が高い環境下で使用されるピアノは、劣化が早まる傾向にあります。

そのまま放置していると演奏性や音質に影響を及ぼすような可能性が出るので、早めの部品交換を検討する必要があります。

ブライドルテープの寿命を延ばすための方法

ブライドルテープの寿命を延ばすには、定期的な清掃や保湿、適切な使用環境の確保が重要です。また、ピアノ調律師による定期的な点検と調整も劣化を遅らせることに役立ちます。

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