ホールに設置してあるベーゼンドルファー model 275をピアノの発表会で使用するため今回はホールで調律作業。

写真では分かりにくいですがとても長い。さすがmodel275🎹

普段の調律でヤマハのC7(奥行227㎝)をする時でさえ大きいと感じますが、275㎝ともなると…

ちなみにサイズは高さ102cm、横幅156cm、奥行き275cm、重量430kgのグランドピアノです。

ウィーンホールでも使用されており、強靭なタッチで有名な作曲家「フランツ・リスト」の演奏に耐えたとされるグランドピアノでもあります。

また、ベーゼンドルファー model 275にはちょっと面白い鍵盤があります。

長3度低いFまで拡張された低音部の「エクストラベース」と呼ばれる黒い鍵盤がプラスされて鍵盤の合計は92本。

その分だけ横幅も増量されています。

普段は使わない部分ですが増量することで低音の響きや唸りが変わるそうな…

とりあえず、時間も限られているのでサクサクと調律をしちゃいます。

スタインウェイと違ってキラキラ感や華やかさは無いけど、ベーゼンドルファー特有のまろやかで深みのある優しい音色や低音を弾いた時の重厚さがあるので、メーカーによって基本構造が違うんだなと改めて調律をしながら感じました。

←の画像は調律が終わった後に取った画像。

チューニングハンマーが遠い💦

流石、奥行275㎝のグランドピアノです。

ホールのピアノ調律はピアノ本来の美しい音色とパフォーマンスの向上に寄与する重要なプロセス。しかし、重要だからといって作業時間を掛けることは難しい。時間が決められているので効果的な作業を自分の頭の中で組み上げながらしなくてはいけません。

ちなみにホールが開いてすぐ作業を開始しても作業時間は45分ぐらいという短い、限られた時間のうちにやらなくちゃいけない。

次の作業を考えながら調律を進めていくため時間があっという間に過ぎてしまいますが、ホールの調律は色々な意味で勉強になる。

普段の調律とは全く違う音の響き、鍵盤のタッチ感、ホールならではの音の方向性、音量、オクターブで弾いた時の音色、全体的な響きを聞きながら試行錯誤して作業をするのでとても有意義な時間でもある。

という訳で調律は完了。

あとはピアノの先生からの全体の音色のチェックをして貰い、作業は完了となります。

(確認してもらう時間が結構ハラハラしちゃいます💦)