ピアノ鍵盤は、白鍵と黒鍵で構成されています。鍵盤の手前側には木口があり、これが今回の内容となります。ちなみに木口はメーカーごとに異なる形状や素材が使われているので交換修理をする場合は注意が必要です。
木口交換の必要性とサイン
木口が劣化するとひび割れや変形が生じることがあります。
これが見られる場合、ピアノの動作に悪影響を与える可能性があるため木口の交換をしていきましょう。
交換作業の手順
木口交換は慎重な手順と正確な技術が必要です。取り外しや取り付けの際は適切な道具と注意が必要となります。特に新しい木口の正確な取り付けは今後のピアノの動作に大きな影響を与えるため注意が必要です。
既存の木口を剥がす際は、周囲の鍵盤への損傷を防ぐために慎重な手順が必要です。隣接する鍵盤に注意を払いながら、適切な工具を用いて取り外しを始めます。分解手順を正確に把握し、優しく分解することがこの作業の一番の肝です。
また、交換前にはピアノと新しい木口が適合しているか確認が必要です。異なるピアノメーカーは独自の木口を持っており、合わないことがあります。作業をスムーズに進めるためには、正確な確認が不可欠です。
交換前には剥がした部分の清掃をしなくてはいけません。鍵盤に付着した埃や汚れは新しい木口の取り付けに支障をきたす可能性があります。下準備をちゃんと進めれば美観を向上させることが期待できるので清掃用具の選定も慎重に行います。
全ての経年劣化した木口を取り外した鍵盤。表面に接着跡が残っているため綺麗に掃除をしていきます。
新品の木口の取り付けには正確な調整が不可欠です。ピアノの鍵盤スペースに確実に収めるために微調整を行い、適切な位置に調整されたら確実に固定。取り付けの際には均等な圧力をかけるよう専用の工具を使用します。これにより新しい木口がピアノにしっかりと接合され、綺麗になった木口の美観が期待できます。
掃除がし終わったら新しい木口を貼り付けて完全に接着するまで鍵盤を置いておきます。未接着の状態で作業を進めると取れてしまうので、ちゃんと接着するまで時間を置きます。
1~2時間ほど経ったら一度木口の接着具合を確認。特に問題が無ければ形を整えていきます。
形を整えたら作業は完了となります。
この手順と注意事項を守ることで、木口の取り外しと取り付けをスムーズに行います。
交換作業にかかる時間の目安と作業計画
交換作業の相場や料金体系を把握することも大切ですが、木口の交換作業は慎重な計画も必要です。木口の交換作業は基本的に時間がかかりますが、作業が進む中で予期せぬトラブルや遅れが生じることも出てくる場合があります。中には全然取れない木口もあるので・・・💦
これらの情報を踏まえて、木口を交換する際は調律師に予算や作業時間の相談を綿密に行うことがとても重要です。