それでは引き続き『ピン板交換』作業を載せていきたいと思います🙂
前回は「ピン板」をピアノ本体に付けるための穴開け作業でしたが、今回の作業は修理工程でメインとなる『ピン板合わせ』と呼ばれる作業となります。
フレームとピアノの木部部品がちゃんと密接していない状態だとピアノの音の伝達や耐久力を得ることは難しいです。
その木部部品というのが「ピン板」であったり前回の投稿した「内リム」という部分です。
もしピアノ本体にフレームが乗ってはいるけど、木部部品とフレームが密着していない場合は音の伸びや響きに影響が出ます。
つまり『ピン板合わせ』作業とはフレームとピン板がちゃんと密着しているどうかの確認作業です。
しかし、フレームの形状は個体差によってバラツキがあるため、どこを見て判断すればいいのか難しい💦
そのため、ピン板とフレームの密着度合を調べるには「弁柄」と呼ばれる赤い液体を使っていきます👌
「弁柄」は昔の陶器等に使われていたらしく防虫、防腐、防錆としても有効な染料だそうです。
京都の町屋や伝統的な日本建築に多く使われているらしいですね。
きっと防錆作用があった故に『ピン板合わせ』に使われたのでしょう。
今回の作業で使う「弁柄」は「ピン板」とフレームの密着度合を調べるために使うものなので、まずフレームを上げたらフレームの裏に「弁柄」を満遍なく塗っていきます🖌️
「弁柄」は服に付いたら取りにくいので、使用する際は汚れが落ちやすい作業着を着るか、いらない作業着で「弁柄」を使うかのどちらかになりますね。
こちらが「弁柄」となります。
一瞬絵の具のように見えますがちょっと指に付くだけでも落ちにくいです💦
ちなみに既存の「ピン板」も「弁柄」を使用している形跡があります。
上の画像がそうですね。
上が「既存のピン板」、下が「新しいピン板」となります。
ピン板の表面にあれだけ「弁柄」が付いているということはフレームと「ピン板」の密着率は物凄い高いでしょう。
できればオリジナルの「ピン板」のようになればとても理想ですね👍
とりあえず、「弁柄」を付けたら現状どうなるかを調べてみます。
持ち上げたフレームの裏に「弁柄」を塗り、フレームを下げてみると・・・このように「ピン板」に「弁柄」が付きます🔍
「弁柄」が「ピン板」へ全体的に付くまで、フレームを上げては下げてを繰り返し、「弁柄」が付いた場所をひたすら削っていきます。
そうすることで徐々に「ピン板」がフレームに合わさっていき、最終的には「既存のピン板」のように表面が赤くなっていきます。
しかし、「ピン板」は堅木のためペーパーの番手を粗くしないとズムーズに削ることができません。
できるだけ粗いペーパーを選んで削っていきましょう😊
チラホラと「弁柄」が「ピン板」の表面に付き始めたらOK!!
この作業はひたすらフレームを上げては下げての繰り返し作業になるので本当に時間が掛かります。
最低でも1か月は掛かる作業なので気長に作業を進めていきましょう👋