少し更新が遅れてしまいましたね💦

あと2回ぐらいで終わりになると思うので、もう少しお付き合いください🙇‍♂️

今回の作業は『ダンパーの始動』作業となります。

ダンパーの調整工程には二通りあり、前の『ダンパーの総上げ』作業は「ペダルを小刻みに踏んで全てのダンパーの動きを揃える」作業でしたが、今回の『ダンパーの始動』作業は「鍵盤を押した時のダンパーの動きを揃える」と作業となります。

ピアノはペダルを踏まなくても鍵盤を押せば音は鳴りますし、鍵盤を離せば音は鳴り止みます。

ダンパーが付いているのは低音から高音の途中までになりますが、これは弾いた鍵盤に対応したダンパーだけを動かすことが出来る仕組みになっているからです。

鍵盤を弾くとダンパーは赤い矢印のように手前に動いて音を開放します。

鍵盤を押し下げている状態だと音は開放したままになるので、音を止める際は逆に鍵盤を離すと緑色の矢印のようにダンパーが奥へ動いて音を止めます👍

ではダンパーが赤い矢印のように手前に動いて音を開放する時はダンパーそのものを押し上げる部品が必要になります。

この部分は我々にとってもあまり見ない部分ですね。

見るとしたらアクションを分解してる時か個別で部品を取る時にしか見ない部品になります。

その後ろの部品がこれですね。

我々の業界では「ダンパースプーン」と呼んでいます。

ここに専用の工具を引っかけて前後に動かし、鍵盤を押した時のダンパーのタイミングが揃うように調整をしていきます。

揃えないと鍵盤を弾いた時のダンパーの動きにバラツキがあると発音や止音、鍵盤のタッチに影響が出てきますので💦

ちなみにどの工程にも言えますが、メーカによって『ダンパーの始動』の寸法は違います。

といってもお客様の好み等があるので寸法はあくまで基準となります。

今回はヤマハのU3Hなので、ハンマーが18mm前進した時にダンパーが動くように調整開始。

ハンマーが18mm前進した時にダンパーが動くのが遅いか早いのかを判断して修正していきます。

一つ一つ鍵盤をゆっくり押し下げてダンパーが上がり始める感触を鍵盤越しから判断していきます。

『ダンパーの始動』が遅い場合は「ダンパースプーン」を奥へ、早い時は「ダンパースプーン」を手前へ曲げます。

上の画像を見るに何かしていますがこれが『ダンパー始動』の作業画像となります。

ダンパーの調整関係は一見何をしているのか分からない作業が多いです。

このように先ほどの「ダンパースプーン」に引っかけて前後に微調整を行います。

この『ダンパーの始動』は『ダンパーの総上げ』を調整した後に必ず行います。

『ダンパーの総上げ』の調整でダンパーの位置が大分変わりますので、順序を逆に調整すると後で泣くことになります😥

とりあえず『ダンパーの始動』が無事終わったらほとんどの作業は終了となります。

本来ならあとは調律のみで終わりますが、『サイレントの取り付け』作業があるのでそれも投稿していきたいと思います。

では👋