本体の外装クリーニング、金属等の作業が終わったので次はアクションの前に鍵盤の木口と鍵盤上面の磨き作業をします🎹
経年劣化している木口は変色していて、木口そのものが反りあがっているため手前の部品に当たり、動きが悪くなる場合が稀にあります。
クリーニングの作業をする場合はここの部分は交換します。
ここの部分は音には直接音に影響はありませんが、交換するだけでも見栄えが大分変ります。
勿論、交換しなくても研磨機で表面を磨くだけでも艶が出て表面の光沢を蘇らせることが出来る場合はありますが、磨く作業で済む場合は中々ありません。
木口の部分は黒ずんでいたり茶色になっていたりとピアノの置いてある環境で木口の状態は変わります。基本的にこの部分は接着剤で付いているので、専用の剥がし工具を使えば交換はできます。
しかし、ピアノにも色々な種類のメーカーあるため一概に同じ接着剤を使っているわけではありません。この部分を簡単に剥がしてすぐ交換できるピアノもあれば、たまに簡単に交換できないピアノもあります。
その場合、すぐ交換できるピアノが1時間以内で終わるなら、4時間ほど掛かる場合があります。
4時間ほど掛かる場合は一つ一つ「スクレーパー」や「別たち」を使い、木口を取っていきます🛠️
すぐ剥がれない木口は一度で取らないと変に接着面に木口が残ったり、勢い余って鍵盤の上面を割ってしまったりと色々なアクシデントが起こってしまうのもしばしばあります。
ピアノの年代にもよりますが、接着剤の代わりに「アセトン」と「欠けてしまったいらないアクリル鍵盤の上面」を混ぜて作った接着剤とかもあり、木口が取れにくい場合があります💦
今回のU3Hは綺麗に交換ができました。
交換する際は、木口の厚さはピアノのメーカーによって違うため注意が必要です。
厚さは1,5mmと2,0mmの木口があるので、既存の木口がどれくらいの厚さなのか調べなくてはいけません。
何も調べないで新しい木口を付けると鍵盤を打鍵した際に鍵盤が戻らなくなる時があります。
木口の交換が終わったので、次は鍵盤の上面磨き。
爪や物を落とした際の傷が鍵盤上面に傷としての残っています。
この傷を落とすには研磨機を使い、傷を落としていきます。
作業自体は外装磨きと同じで、傷がある部分を削っていき、鍵盤の上面を平らにする作業です。
上の画像のように鉛筆で傷をつけた跡がありますね🔍
このレベルの傷だったら研磨機で綺麗になりますが、たまに煙草の灰が落ちた形跡や物が落ちた時に欠けてしまった鍵盤等があります。
あとはアルコール除菌によってヒビが入った鍵盤が挙げられますね。
その場合は研磨機ではどうにもならないので、鍵盤上面そのものを交換します🔨
鍵盤の研磨中...🎹
研磨をする際は鍵盤上面が溶けないように気を付けて作業をしなくてはいけません。
あまり上面を研磨機に当てすぎるとアクリルが溶けてしまいます💦
また、鍵盤をちゃんと持っていないと研磨機に弾かれて鍵盤が吹っ飛んでしまう場合があるので注意しながら作業を行わなければなりません👍
無事研磨作業が終わりました✨
鉛筆の傷も消えて鍵盤上面に艶が出て傷もなくなりました。
あとはやり残した傷がないか確認していきます🔍
光の当て具合で傷が残っていたりするので、角度を変えながら一本づつ鍵盤を見ていきます😁