低音弦(ベース弦)の磨き作業もあともう少し、この作業が終わり次第、芯線の磨き作業になります。
ここも同じように錆が付いていて、黒く変色しております。
表面の錆を除去するため低音弦の時に使った道具で芯線も同じように作業を行います。
全てのの弦磨き作業が終わったら、分解したペダルの磨き作業に移ります。
ここの部分も経年劣化と酸化により元々艶と光沢が出ていたペダルは黒ずんでいます。
ところどころ黒い斑点もありますが、カビですね💦
ペダルの部分には防錆び用のコーティング剤が塗られているのが結構ありますが、年数がたちすぎるとコーティング剤の下から錆びやカビが浮き出てくることもあるので、もう一度光沢を出すためにはコーティング剤を取り除いていかなくてはいけません。
その場合は金属専用の研磨機を使い、コーティング剤とともにペダルそのものも研磨して本来の輝く状態まで磨いていきます👍
ペダルを研磨する際に気をつけなければいけないのはペダルが立体的な形をしているため、両手でしっかりとペダルを持ち、研磨機に押し当てていきます。
気を緩ませてしまうとペダルが飛んでしまうことがあるので注意が必要です。
研磨機によるペダル磨きが完了しました。
最初と比べると全然違いますね、本来持ち合わせている艶が蘇りました✨
反射して自分がカメラで撮っているのが分かります。
これで取り外した底板の作業は完了、あとは本体の磨き作業をするための下準備をします。
本体の外装磨きをするための下準備。
ピアノの足についているテープの除去から開始します。
このまま外装磨きをしようとすると上手く研磨できないのです。
確かに研磨剤で取れないことはないのですが、本来の表面の上にテープが貼ってあるので塗装面は凸凹のある状態なのです。
本来、外装磨きは表面が凹凸のない平らの状態で均等に磨いていくのが基本です。
そのため、この凹凸のある状態で磨いてしまうと最悪塗装面がだめになってしまう場合があります。
外装に油やゴミ、それとテープ等が付いている場合は研磨機を使わず手で取り除いていきます。
もちろん、外装面の状態にもよりますが昔のピアノの外装面はラッカー塗料が使われており、現在使われている塗料と比べると塗料そのものが柔らかいため傷がすぐ付きやすい塗料になります。
テープ等が外装に付いたまま残っている場合は慎重に除去していかなくてはいけません。
よく、ヘラやスクレーパー等を使ったのかもの凄い引っかき傷が付いていたりするピアノがあるので…
また、外装の塗料の種類を知らずにホームセンターで売っている「シール除去剤」なるものを使用して、塗装が剥がれ落ちてしまい下地がむき出しになってしまったという事例も多く見られます。
そうなってしまうとピアノクリーニングの外装磨き作業だけで済む筈が塗装作業をしなくてはいけなくなったりと余計に費用が嵩むのでもしシール等が貼ってあるのが気になる場合はご相談していただければクリーニング作業の一環としてシールを除去することができます。
よく免と書いてあるシールを取りたいといって塗装しないと直らないほど外装が傷だらけになってしまったピアノもよくあります。
上手にシールを取り除けました。これでようやく外装磨きの準備に入れますね👍