センターピンを交換するにはまず、アクションの分解をしなくては作業ができないので一つ一つ締まっているネジを取らなくてはいけません🪛

勿論、取った部品にはちゃんと番号を付けていきます。そのまま取ってしまうと順番が分からなくなるのを未然に防ぎます👍

たまに最初から番号が付いているパーツもありますが、何故か順番が違う時があるので注意が必要です🔍

番号を書き終えたら、本命の「センターピン交換」に開始します。

新しく用意した300本のセンターピンを傍らに置き、最初はダンパーのセンターピンを交換していきます。回転運動の軸になる部分は一つの鍵盤のセクションに4本あります。

(ダンパーがない最高音の範囲からはは3つに)

これを一つ一つ手作業で交換していかなくてはいけません🛠️

まず、交換する際の順序は既存のセンターピンを専用の工具で抜いていき、「ニードル」と呼ばれる工具を使ってセンターピンの周りを囲っていた赤いクロスを削っていき、クロスの表面をならしていきます。

その後は新しいセンターピンを用意し、クロスとセンターピンの摩擦が正常か確認して新品のセンターピンを慎重に入れていきます。力任せに入れてしまうと木が力に負けて、割れてしまうことがありますので💦

動画ではダンパーのセンターピン交換は完了しており、ウィペンのセンターピン交換とジャックのセンターピン交換をしております。この作業工程を繰り返していく作業です。ダンパーだったら69本。ウィペンが88本。ジャックが88本。ハンマーも88本。この合計本数をただひたすらに交換していきます。

さすがに集中力が切れてしまうこともあるので作業のお供にコーヒーと適度な休憩をしなくては行けません。そうしないと、手に力が入らなくなり、正確な作業が出来なくなるからです。この作業が完了する期間は大体2~3日間は掛かる作業になります👍

ようやくハンマーのセンターピン交換まで進むことができました。用意した新しいセンターピンはほとんどなくなったので、自分がよく持ち運びをしている予備のセンターピンを工具鞄から取り出し、最後のハンマー部分のセンターピン交換作業を行います👌

よく、新しい部品をただ入れてる作業と誤解されますが、ここの交換作業は経験が物を言う部分でもあります。なぜなら、約300本のクロスとセンターピンの摩擦を一定に揃えていくのは台数をこなしてきた調律師ではないと出来ない作業なのです。

なにせ、10種類近くの中からちょうど良いセンターピンを選ばなけば支障が出てしまうからです。

センターピンとクロスの摩擦が大きければ動きが鈍くなってタッチは重くなるし、逆に摩擦が小さすぎると打鍵した際、動きがぶれて雑音の原因になってしまいます😂

このセンターピンの動作不良は季節の代わり目や湿度が高くなる日、それに梅雨時に多く見られる現象でもあります。しかも起こる時はたった1本の動作不良とかあるあるです。

ここの修理は1本に付き大体¥220(税込)ぐらい。ピアノ調律の時に見かけた際は1~2本だったらサービスでやっちゃいますね😊

でも、数が多くなればなるほど費用は途轍もない金額になります💦

そうならないためにも定期的な調律(定期メンテナンス)は必要となります👍