今回はお客様宅でのメンテナンス作業。

ヤマハのグランドピアノ C3Bとなります。

コロナの影響でメンテナンス時期が空いてしまい、3年ほど手つかずの状態だったらしく、内部と外部にホコリが大分積もっていました。

調律も大事ですがその前に…内外装の清掃作業から

ピアノの音質や快適な演奏には、本体の清潔さが大きく影響するため掃除を開始します。

鍵盤や内部がホコリや汚れで覆われると鍵盤の動きが鈍くなったり、反応が悪くなってしまうことがあります。

また、埃が弦やハンマーに溜まることで音がくすんだり、音色が不十分になったりする可能性もあるため定期的な掃除をすることによってピアノ本来の美しい音色を保ち、演奏の質を高めることができます。

ピアノは精密な構造でできており、湿度やほこり、衝撃にとても敏感。

定期的なおメンテナンスで、湿気による木材の劣化や金属部分の錆を防ぎ、長期的に美しい状態を保つことができます。

100均で購入したお手入れ道具。

弦と弦の隙間にゆっくり入れて響板の表面に付いている埃を除去していきます。

一見綺麗に見える響板も掃除するとホコリまみれになるので、時間を掛けて掃除していきます。

また、調律師がメンテナンスをすることで、ピアノが不調に陥る前に早期にトラブルを発見することも可能ですが…

もし、内部掃除をお客様自身でする場合はピアノ掃除ではやり方を誤ると逆にピアノを傷めるリスクがあります。

例でいうと強い洗剤やアルコール系クリーナーは塗装面や鍵盤のひび割れを引き起こす恐れがあるため、使用を避けることが重要です。

また、鍵盤や弦の周りを掃除するときは、硬いブラシや粗いクロスを使わないようにし、柔らかい道具で優しく掃除することが基本。

硬いブラシでフレームや響板を掃除すると最悪、表面が傷だらけになってしまいます。

その点、ピアノの調律師は内部構造や使用されいる部品の素材を知り尽くしているので、弦やハンマー、ペダル周りの隅々まできれいにすることができます。

プロの技術を活用することで、自宅では行き届かない場所や精密なパーツも丁寧にケアされるため、ピアノの寿命がさらに延びるメリットも期待できます。

また、調律や内部調整と合わせたサービスも提供していることが多い(ピアノリペア工房もしております)ため調律師による定期的なケアはとても大切です。