前回のKAWAI K35 アップライトピアノ調律+鍵盤の動作不良修理①のブログからの続きになります。鍵盤が戻らない原因が判明したので早速鍵盤の調整作業に移ります。
まずは動作をもう一度確認してみましょう。
という訳で連打しても鍵盤が元の位置に戻らず、音が出なくなりました。この状態では鍵盤を調整することは出来ないのでパネルを外して動作不良の部分を調整していきます。
このピアノの鍵盤調整は、鍵盤の動作を正確に調節し、演奏時の音程やタッチ、反応を最適な状態に整える作業です。これによりピアノの性能が向上し、演奏者がより快適に演奏できるようにする作業でもあります。
なぜならピアノの演奏はタッチと反応に大きく依存します。鍵盤の重さや戻り具合などを調整し、ピアノ鍵盤が適切に調整されていれば、演奏者が楽曲に感情を込めやすい状態を実現かつ楽曲に集中しやすく、音楽表現が向上します。特にダイナミックな演奏や繊細なニュアンスが求められる場面でその重要性が際立つからです。
専用の工具を使用し、適度な動きになるようにクロスを調整していきます。
あまりやり過ぎるとクロスや鍵盤そのものが使えなくなる場合があるので動作不良が起きた場合はプロの調律師を呼ぶのがベストです。
調整にかかる時間とプロセス
ピアノ鍵盤の調整にはある程度の時間が掛かり、またその調整作業には手順があります。作業工程を理解することで、ピアノの調整にかかる時間をより明確に理解できます。
ピアノの鍵盤調整にかかる時間は様々ですが、標準的な範囲は約30分程度です。ただし、これは軽微な調整を指し、状態によってはもっと時間がかかることもあります。
調整にかかる時間は、ピアノの状態、過去のメンテナンスの有無、調整の必要性などによって異なります。プロの調律師は、正確な診断を行い、最適な時間枠を見積もります。
作業の流れと工程説明
ピアノ鍵盤の調整は、以下のような基本的なプロセスを経て行われます。
1. 診断と評価:
- ピアノの現状を詳細に診断し、鍵盤の問題点や調整の必要性を評価します。
2. 基本調整:
- 初期の調整作業として、鍵盤全体の基本的な音程やタッチの調整を行います。
3. 細部の調整:
- 各鍵に対して微調整を施し、不均一な音や動作を解消します。
4. 仕上げと確認:
- 最終的な調整として全体のバランスを確認し、演奏者が求める理想的な演奏体験を実現します。
5. ご報告とアドバイス:
- 調整が完了したら、ピアノの状態や今後のケアについて報告し、アドバイスを提供します。
これらの工程を経て、プロの手によってピアノは最適な状態に調整され、演奏者に高品質な演奏体験を提供する準備が整います。
今回は調律を始める前に確認できたので、そのままお客様に状態を伝えて鍵盤調整の作業を始めました。ピアノ調律と鍵盤の調整作業が一通り終わったらパネルを組み上げて鍵盤の動作確認を行います。
無事動作していますね。これで現地での修理作業は完了となります。
それでは、また👋