カワイのアップライトピアノ、US50の定期メンテナンス作業となります。パネルに鍵盤、アクションも取り外して中に埃が積もっているか確認していきます。

下のほうに大分埃とゴミが溜まっておりました。

どうして密閉されてるような構造のピアノにゴミが埃や入るのか。

埃の発生源やピアノ自体の特性を理解することが不可欠です。

埃がたまる主な理由についてちょっと話していきたいと思います。

埃の発生源を知る

ピアノの周りにたまる埃は、さまざまな要因によって生じます。まずは、室内環境がどのように影響するかを考えてみましょう。

室内の湿度や温度の変化、家具やカーペットから発生する微細な粒子、そして通気や換気の不足などが、ピアノ周辺に埃を引き寄せる要因となります。特に乾燥した環境では、埃が静電気によって引き寄せられやすくなります。

また、外部からの要因も影響します。開かれた窓やドアから風が運んだり、室外からの花粉や微粒子が侵入することがあります。これらを防ぐために、窓やドアの密閉、適切な通気対策が必要です。

しかし、ピアノ自体の構造によって埃がたまりやすい特性があります。グランドピアノが特に溜まりやすいですね。

グランドピアノとアップライトピアノでは、機械的な構造や開閉式の蓋の有無により、埃の溜まり方が異なります。グランドピアノは広い開口部があり、アップライトピアノは一般的に閉じられた形状。

それにピアノは木製や金属製の部品で構成されており、これらの材料は埃を引き寄せる性質があります。

ピアノの埃が与える影響とは?

ピアノの美しい音色や持続性を保つためには、埃が与える影響を理解し、これに対処することが重要です。ピアノに溜まっていく埃が音質やピアノの寿命にどのような影響を与えるか、具体的に見ていきましょう。

特に、鍵盤や弦等がどのように影響を受けるか考察します。

ピアノの鍵盤や弦にたまった埃は、演奏時に悪影響を及ぼす可能性があります。埃が鍵盤に侵入すると、キーの動きが制約されたり、弾力性が損なわれたりすることがあります。

また、埃が弦に付着すると共振が妨げられ、音の品質が低下することが考えられるため埃がピアノの音質に与える影響は大きいです。

それにピアノの響板にたまる埃は、ピアノ本体の響きや音の伸びの妨げとなります。共鳴体が埃で覆われると、音の透明度が損なわれるし、音の減衰にも影響があります。

これが積み重なると本来のピアノの響きを引き出すのが難しくなり最悪、埃がピアノ内部に影響を与えるだけでなく、ピアノの寿命にも影響を及ぼす可能性があります。

ピアノの部品が埃に覆われると、劣化が進みやすくなります。

特に木製の部品は埃によって乾燥し、ひび割れが生じる可能性があります。

これが進行すると修理や部品の交換が必要となります。

そのような修理が発生しないよう定期調律+メンテナンス時に掃除を行い、埃を除去していきます。

埃の掃除が終わったら鍵盤をアクションを組み込んで調律を行います。

今回のブログは調律師でないと掃除出来ない部分でもありますので、掃除のタイミングは年1の調律時に掃除を行うのが一番ベストです。