弦の張り替え作業
今回はお客様のご自宅で修理作業🛠️
「全弦張り替え」を行うことになりました。(張弦作業とも言います)
弦の張替え作業は工房で作業をするイメージがありますが、現地で修理が可能な作業でもあります。
というころで今回、弦を張り替えるピアノはヤマハのグランドピアノNo.G2🎹

古いモデルのヤマハグランドピアノ。
今と設計が違い、ベヒシュタインに近い音がします。
お客様から「弦がサビて断線しているところが多々ある。この機会に全ての弦を交換したい」
ということで、内部を確認してみると…
あるはずの弦が無かったり、表面がサビて茶色くなっております。
錆びや腐食による音質劣化
弦のサビは湿気や汗によって、徐々に錆びていきます。これが音質劣化の原因となります。
たとえで言うと…
- 錆びが発生する原因:高湿度の環境だと錆びやすい、梅雨時期は特に要注意です。
- 錆びた弦の音:錆びた弦は振動が妨げられ、音が鈍くなります。
- 弦表面の腐食による摩擦音:錆びがひどくなると、異音が発生します。
などが挙げられますね。

間隔が空いているが断線している部分。
間隔が変に空いているせいで見た目にも違和感が生じてますね。
何より劣化した弦をそのままにしておくと、ピアノ全体に悪影響を及ぼすため放置しとくのはあまりよろしくありません。
とりあえず、サビてしまっている弦を外していきましょう。
弦には非常に強い張力がかかっているため、いきなり外そうとすると勢いで弦がはじけ飛び、怪我をする危険があるので、ゆっくり外していきます。

チューニングハンマーで既存のピンを少しずつ均等に張力を緩めていき、ピアノ本体に負担が掛からないようにしていきます。
緩ませたら弦は全て回収し、今度は弦が巻き付いてあったチューニングピンを同じようにゆっくりと取り外していきます。

弦を取り外した後は、ピンや周辺のパーツを清掃します。
弦が通る溝や周辺パーツに汚れが溜まっている場合は布で拭き取ったり、溝部分を少し研磨するだけで音質向上に繋がります。

そして何より弦を外した状態であれば、フレーム掃除も可能になります。
弦が張ってある状態だと満足に掃除することもできない部分が多々あるので…
この機会にフレーム掃除を行います✨

綺麗になりました🎵
上の画像と大分違くなりましたね。
実は白くなっていたのは全てホコリ。
その影響でフレームの表面が白くなっておりました。
これでようやくスッキリしましたね。
ということで、作業は一先ず完了。
この脱弦作業でも1日は掛かりました。
次の作業は必要な部品を用意するため一旦、工房へと戻ります👍
SNSでも作業風景を投稿しております🎹
本日は都内へ🚗
— ピアノリペア工房 (@pianorepairkobo) March 19, 2025
ヤマハ NO.G2の出張修理🛠️
昭和31年ごろに製造されたグランドピアノ
今から約69年前ですね
今と設計が違い、若干ベヒシュタインに近い音がします🎵
今回は弦のサビが多々あり、断線する可能性があるため全交換することになりました
それでは早速、始めましょー👍 pic.twitter.com/ZO92LnGcNP